自分(パーソナル)ブランディングから抜け出したいコンサルタント


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だいぶ前から自分(パーソナル)ブランディングという概念が流行っていますが、「はじめの一歩を踏み出そう」を読んだ方ならば、それが職人型ビジネスの典型だということがわかると思います。

自分(パーソナル)ブランディングにはまると、ビジネスを創るというよりも、生計を立てるために職人仕事を作り出しているだけ、という状況が続きます。

今日は、同じく自分(パーソナル)ブランディングにはまってしまったコンサルタント、 Deb Beddoe氏とマイケルE.ガーバーの対談をご紹介します。Deb Beddoe氏が自分(パーソナル)ブランディングから抜け出すためにアドバイスを受けているシーンです。

ご参考にされてください。


Deb Beddoe:おはようございます。

Michael E. Gerber: おはようございます。あなたのビジネスがどんな状況か教えてください。

Deb Beddoe: はい、私はコンサルティング会社を2年前に始めました。

ハードワークをこなし、私の名前、Deb Beddoe Consultingを有名にしようとしてきました。

2年経って、私を個人的に知らない人、会ったことの無い人も、私にコンサルティングを依頼したいと言ってくれるようになりました。

そして6ヶ月前、あなたの本を読みました。正直、目の前の世界が一変しました。

分かったことは、私はこれまで、自分の収入を増やそうとしてきただけであり、ビジネスを構築してきたわけではない、ということです。

始めから考え直し、自分のやっていることを何とか複製できないか、そして、より多くのプロジェクト、クライアント、市場に対応できないものかと考えてきました。

そして最近、個人事業主から会社へと変更し、自分の名前を排除して、「Your Ops Manager」(OpsはOperationsの略。運用、運営などの意)に変更しました。

これまで2年かけて自分の名前を有名にしてきて、それが徐々に実を結びつつあります。

いま、私が直面している課題は、それをゼロにし、もう一度、ビジネスを有名にする作業をやり直さないといけない、ということです。

いままでやってきたことを上手く活かすにはどうすれば良いか、悩んでいます。

Michael E. Gerber: わかりました。

まず言っておきたいことは、私の本を読んでいただいたならば分かると思いますが、私はDeb Beddoeという名前を有名にする、マイケルE.ガーバーという名前を有名にする、というような、自分(パーソナル)ブランディングを信じていないということです。

ビジネスとは、私たち自身に関するものではありません。ビジネスとは、私たちの創造の産物です。人々を変革させる、卓越した結果を生み出すために設計された、創造の産物です。

あなたも自分(パーソナル)ブランディングをする中で気付いたかも知れません。

Deb Beddoeという名前を有名にしたことで、どれくらいのエネルギーを使わないといけないですか?

Deb Beddoe: そうですね、週に30時間か40時間、クライアントとの時間に費やしています。

Michael E. Gerber: なるほど。ではクライアントの対応に追われている状況ですか?言い換えると、それがどれくらいの問題になっていますか?

Deb Beddoe: そうですね、順番待ちのクライアントもいます。問題は、私が収入の流れを作っているだけだという点です。ビジネスとして運営したいのですが、そこに至っていない状況です。

Michael E. Gerber: わかりました。これはあなたの質問に答えることになりますが、まずして欲しいことは、社名のトップにあなたの名前を付けることです。つまり、

「Deb Beddoe’s Your Ops Manager」にすることです。

これであなたがこれまでにしてきたことを活かすことができますね。ゼロから始める必要はありません。

シンプルです。次に考えることは、あなたの会社がいったい何をするか、です。

あなたの会社は、私の会社のオペレーションマネージャーの役割を担ってくれる、ということでしょうか。であれば、最初にやることは、ニーズ・アセスメント(ニーズ調査)です。これは、あなたの従業員、契約社員、誰でもいいですが、新しい人にやってもらいましょう。

これによって、あなたの見込み顧客の会社の中で、どんな運営システムが欠けているのかがわかるでしょう。

何が一番足りないのか、何が足りているのか、何が最も大切なのか、何が最も大切ではないのか。

それを見つけるために聞き出すべきことは、あなたがこれまで培ってきた独自の視点があればわかるはずです。

あなたの独自の視点が大切です。

一般の会社は、運営システムとは何か、どのように機能するのか、なぜ上手く機能しないのか、それにどう対処すべきなのかをわかっていません。

そして、なぜあなたのチームが、彼らが意図する結果を生み出すことが出来るのか。それを考え、あなた独自の視点を創ります。

簡単に言えば、

”運営システムとは何か?”

この質問が大切です。

Deb Beddoe:あなたの会社にとっての運営システムとは何か?ということですね。わかります。

Michael E. Gerber: それが最初にやることです。助けになりましたか?

Deb Beddoe: はい、私の名前を最初に付けるということは、完全に見落としていました。

Michael E. Gerber: そうですね。みんな明らかなことを見落とすものです。人生の中で、明らかなことを見落としがちだということを覚えておくと良いでしょう。なぜならば、それは本当は明らかではないからです。私から言われたとき、はじめて明らかなことだったと気が付くのです。

そして次なる質問は、”その明らかなことを追求するのか、ほうって置くのか?”です。

Deb Beddoe: もちろん、追求します。今日から。どうもありがとうございます。


まとめると、

・社名を変える。

・顧客が抱えているニーズ、そして自社が提供できるものを定義しなおす。

ということになると思います。

社名を変える、というのは単純なようですが、経営者の方の考え方を職人から起業家に変える重要なステップだともいえます。

特にコンサルタント、コーチ、士業などの場合、社名に代表である自分の名前をつけてしまいがちです。

そうなると顧客から見た場合、代表の人が対応してくれなければ、存在を軽んじられた、と思われかねません。

中には、トヨタやホンダ、シャネル、ヒューレット・パッカードなど、創業者の名前を社名に冠して大企業になった企業もたくさんあります。しかし、それらの企業は何十年もの歴史を経て、はじめて一般に認知されてきたのです。

また、ホンダの創業者、本田宗一郎氏は、生前、「唯一の後悔は社名に自分の名前を付けてしまったことだ」とおっしゃっていたと聞いたことがあります。

彼にとっては、“自分(本田宗一郎)の車・会社であること”は大して重要ではなかったのでしょう。

清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。

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