「必要だが不十分」の法則


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私は長年にわたって、何万ものスモールビジネスオーナーと協力して次の問題を追求してきた。

「何が成功し、何が失敗するのか、何が欠けると失敗するのか?」

見つかったのは誤解されることの多い法則だった。

その法則は、私が見たところまったく守られていないのだ。

それは、「必要だが不十分」という法則である。

では一緒に見ていこう。

最初にビジネスのそれぞれの部分を見ていくと、ビジネスの成功には必要だが、欲する成果を出すには、不十分なものがある。

売上向上はその1つだ。売上向上は常に必要 (少なくとも望ましい)だ。

しかし、粗利益向上がなくては、不十分なのは明らかだ。

粗利益向上は常に必要 だ。絶対的ではないとしても望ましいし、少なくとも粗利益が減少するよりは良い

しかし、それも純利益が無くては、望む成果を出すには不十分だ。

売上向上と粗利益向上と純利益は、成長を支えるキャッシュが足りなければ、やはり不十分かもしれない。

必要なキャッシュがなければ、成長をしても、その結果は破算であろう。

従って適切なキャッシュフローは財務方程式の4番目の要素であり、「必要だが不十分」の法則の一部なのだ。

実際のところ、ビジネスのどこを見ても、必要だが不十分なものだらけだ。

あなたのお店は清潔かも知れない。それは必要である。

しかし、来店客に強力な印象を与えるには、不十分かも知れない。

インテリアは飾り立てたばかりで、綺麗である。それは必要である。

しかし、その色合いは、あなたの顧客にとって、心理学的に正しくない。
つまり、インテリアが飾り立てたばかりで綺麗であることは、必要であるが、不十分である。

あなたの営業マンは礼儀正しい。それは必要である。
しかし、販売プロセスに対する知識が十分ではない。

あるいは、営業マンは販売プロセスに対する知識は持っているが、
行動計画がないのでビジネスと製品について皆が異なる考え方をしている。

これら全てが、必要だが不十分なのだ。

この状況を改善するために何ができるだろう?

自分のビジネスで達成したい成果の全部をリストして、会社全体のあらゆる側面を精査しよう。

会社に必要なシステムと、全てのポジション(役職)を列挙し、組織図を作る。

各ポジションが責任を負わなければいけない成果を整理する。

その作業を組織の底辺から始めて頂点まで行う。

そして問いかける。

「ポジションは何か?」
「システムは何か?」
「それぞれのポジションが追求している成果は何か?」
「その成果を上げるために、どのように行動するべきなのか?」
「その費用は?」
「投資に対するリターンは?」

どのポジションも、どのシステムもそれ単体としては求める成果を上げるには不十分だが、それぞれが非常に成功したビジネスを創るためには必要なのだ。

そして、会社のあらゆる部分や活動について、いつも次のように問いかけるようにしよう。

「それは必要なのか?」
「それは十分なのか?」
「必要でないならやめよう。不十分なら、十分になるために他に何が必要だろう?」

これは、非常に役立つ論理ツリーだ。

しかし考えるだけでは駄目だ。

考えることはもちろん必要だが、考えるだけでは影響を生むには不十分だ。

実際にやらなければいけない。

マイケルE. ガーバー

マイケルE. ガーバー

米EMyth創業者、Michael E.Gerber Companies会長。世界No.1のスモールビジネスの権威(米INC誌による)。1977年に世界初のビジネスコーチング会社、マイケル・トーマス・コーポレーションを設立。その後、約40年間にわたって、7万社の中小・スモールビジネスをクライアントに抱える会社に成長させた。「E-Myth革命」や「会社をE-Myth化する」などの言葉が生まれるほど、世界中のスモールビジネスに変革をもたらしてきた。1985年には、初の書籍、「E-Myth(邦題:はじめの一歩を踏み出そう)」を出版。「起業家の視点(職人、マネージャー、起業家という3つの人格)」、「ビジネスのシステム化」、「フランチャイズプロトタイプ」、「ビジネス開発プロセス」などの新しい概念を提唱し、現在につながる、スモールビジネス経営の新しいスタンダードを創った。同書は、16カ国語に翻訳され、700万部以上のベストセラーとなっている。

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