マイケルE.ガーバーインタビュー記事(2/2)「会社成長の3ステージ」


前回に引き続いて、ビジネスコーチであるマイケル・バートとガーバーのインタビューをご紹介します。

このインタビューでは、

・成長の3ステージ
・会社の外側から働くためのヒント
・ひとつのことにフォーカスする

などをご紹介しています。

前回のインタビューはこちらから

「ウォルト・ディズニーが毎年行っていたこと」


バート:
さて、会社を大きくしようとするとき、人を雇う必要があります。これは卵が先か、鶏が先か、のような話だと思います。お金を稼いでから人を雇うのか、人を雇ってお金を稼ぐのか?

会社を大きくしようとしている人に対してアドバイスはありますか?

ガーバー:
そうですね。現実的なことを言うと、会社をスタートした直後は、ビジネスとはいえない状態です。私がプラクティスと呼んでいる状態です。

会社はすべてシステムで成り立っていますが、プラクティスの状態では、最初のシステム、顧客獲得システムとフルフィルメント(商品やサービスを届ける)システムを作る必要があります。

誰もがこの二つのシステムが必要ですが、うまく創れている会社は多くありません。ふたつのシステムが機能することによって、初めて、会社の中ではなく、外から働くことができます。

これら最初に必要となるシステムを作り、テストし、評価することができなければ、会社を成長させることができません。

そのステップが過ぎると、プラクティスからビジネスへと成長します。そして、ビジネスオーナーは、職人的な仕事からマネージャー的な仕事へと軸足を移すことになります。

このステージでは、マネジメントのシステムが必要になります。それらが機能すると、私がエンタープライズと呼ぶステージになります。

ここまで来ると、成長というものを実感できるようになります。

プラクティス、ビジネス、エンタープライズ、これが会社の3つの成長ステージです。

そして、成長ステージに応じて、フォーカスすべきシステムが異なってくるのです。

バート:
なるほど、そのようにシステム的に仕事を捉えられていない会社はたくさんありますね。

あなたの本には、ワールドクラスの会社になるには、単に製品の機能が良いとか、価格が安いとか、そういったことだけではなく、人々の感情や感覚に訴えることが必要だと書いていますね。

私も多くのスモールビジネスを知っていますが、彼らの大半は、古ぼけた家具を使っていたり、ブランドイメージが古臭かったりします。

これらの感情や感覚が重要であるのはなぜでしょうか?

ガーバー:
ワールドクラスの会社にとって、人々の感情や感覚に気を配ることは欠かせません。

これは私がプリファレンスと呼んでいるものですが、会社に関係する人たちを、感情的、視覚的、財務的、機能的に満たしてあげる必要があるのです。

ワールドクラスのブランドを見れば、実際にそれらがどう表現されているのかがわかるでしょう。 それは起業家が夢を描き、構想した結果なのです。

いまの時代、大半の会社がコモディティを売っています。コモディティとは、 どこでも手に入るような商品を指しています。

多少の機能や性能の違いはあれど、ほぼ似たような商品やサービスを売っている会社が多いということです。

その中で、卓越した存在になるためには、人々に与える感覚や感情に注目する必要があります。

バート:
なるほど。

次に、私の知っている多くの起業家は、いつも新しいアイデアを思いつき、頭の中が混乱しているように見えるのですが、どう思いますか?

ガーバー:
それはまさに起業熱に駆られた人の行動パターンですね。

優れた会社を作るには、たしかに最初に優れたアイデアが必要です。

ただ、考えてみてください。すでに仕事量に圧倒されている社員に、次から次へと新しいアイデアを投入してしまえば、混乱をきたすだけです。

だからあなたの会社では、ひとつのことにフォーカスするようにしてください。ふたつのことを同時に行うことも可能ではありますが、そうなればふたつともが非効率的になります。

偉大な会社、偉大なリーダー、CEOはひとつのことにフォーカスしています。

だからいつも自問しなくてはならない質問は、

“いまここですべきひとつのことは何か?”

です。

もし、そのひとつのことをこの地球上のすべての会社よりも上手くできたら、どのようなインパクトがあるかを想像してみてください。

その質問がいつも、あなたを原点に戻らせてくれます。

いつも新しいアイデアが浮かんできてしまう人は、一度会社から離れたほうが良いでしょう。

そして、それらのアイデアが自然と自己解決していくようにしましょう。心をリフレッシュして、ひとつのことへ戻るのです。

そのようにして、あなたがあなたの会社を超越する存在にならなければ、会社を変革させることができません。そして、そのための唯一の方法は、会社の中からではなく、外側から働きかけることなのです。

それは文字通り、会社を外側から捉えることです。これまで見えていなかったものが見えるようになります。

お勧めの方法は、会社から6ブロック離れた場所にスペースを借りることです。社員がいない空間、ホワイトボードしかない場所で、会社を外側から見つめなおすことです。

バート:
なるほど。物理的に会社から離れることによって、外側から働きかけることができるようになるということですね。

今日はどうもありがとうございました。

清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。