指揮者としての経営者


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事業開発の基本的なサイクルは、「イノベーション」、「数値化」、「組織化」である。

イノベーションとは、もっとうまくやる方法がないかを模索し続けることであり、数値化とは、そのイノベーションがどれだけ有効だったのかを数字で測定することである。

今日は組織化について紹介したい。

ビジネスオーナーとしてのあなたは、オーケストラの指揮者のようなものである。

あなたの前には、演奏者の集団がいると想像してほしい。

リハーサルをするたびに、それぞれの演奏者が自由に演奏をし始める。これでは混乱し、音楽ではなく、ノイズが生まれるだけである。

だから指揮者は、オーケストラ全体の動きに責任を持たなくてはならない。

オーケストラはまさに、システムである。

一人の演奏者が全体に影響を与え、全体の動きが一人の演奏者の動きに影響を与える。そして、それぞれの演奏者はひとつの目的に向かって動く。素晴らしい音楽を奏でるという目的に向かって。

そのために、各演奏者は、統一された楽譜を見ている必要がある。そして、いつ、どの部分を自分が演奏するかを知っている必要がある。

それぞれの演奏者が自分が責任を持つパートを正確に演奏することによって、素晴らしい音楽が生まれる。

それと同じように、あなたは、各社員が同じルールやマニュアル、文書に従って働けるようにしなくてはいけない。

そして、各社員が自分が全体の中で、どの部分に責任を持っているのかを知っている必要があり、いつ、どのようにその仕事をするべきかを知る必要がある。

そのようにして全体が統合されたとき、シンフォニー、すなわちあなたのビジョンが達成される。

オーケストラを考えれば、指揮者であるあなたが、演奏者の集団の中に入り込んでしまったときの悲劇を予測することが出来るだろう。

あなたの仕事は、演奏することではない。

各社員が、組織の各機能をきちんとこなせるように、全体を見て、指揮することなのである。

全体の目的を全員に理解してもらい、彼らが使う楽譜を用意し、すべての演奏者が正しく演奏できるようにしなくてはならない。

それが組織化である。

マイケルE. ガーバー

マイケルE. ガーバー

米EMyth創業者、Michael E.Gerber Companies会長。世界No.1のスモールビジネスの権威(米INC誌による)。1977年に世界初のビジネスコーチング会社、マイケル・トーマス・コーポレーションを設立。その後、約40年間にわたって、7万社の中小・スモールビジネスをクライアントに抱える会社に成長させた。「E-Myth革命」や「会社をE-Myth化する」などの言葉が生まれるほど、世界中のスモールビジネスに変革をもたらしてきた。1985年には、初の書籍、「E-Myth(邦題:はじめの一歩を踏み出そう)」を出版。「起業家の視点(職人、マネージャー、起業家という3つの人格)」、「ビジネスのシステム化」、「フランチャイズプロトタイプ」、「ビジネス開発プロセス」などの新しい概念を提唱し、現在につながる、スモールビジネス経営の新しいスタンダードを創った。同書は、16カ国語に翻訳され、700万部以上のベストセラーとなっている。

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