社内にイノベーションの文化を創る


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ビジネス開発プロセスのうち、「イノベーション(改善活動)」とは、常に何かをやるより優れた方法があると理解し、その方法を追及し続ける態度のことである。

では、イノベーションの態度を社内に持ち込むには、どうすれば良いだろうか?

その考え方をご紹介していこう。

まず、あなた自身がイノベーションの模範となることだ。社員はあなたの行動、仕事のやり方を常に監視していることを知っておこう。あなたは常に快適な領域から一歩抜け出し、より高い基準を追求する姿勢を見せなくてはならない。

会社をより崇高な目的、高い基準へと引き上げようとするあなたのコミットメントが何よりも求められる。

その姿勢が社員からの“なぜイノベーションをしなくてはいけないのか?”という質問への答えとなる。

次に、ビジネスの原則に立ち戻って考えよう。

繰り返し言っているように、ビジネスは、それにかかわる人の人生に貢献するものでなくてはならない。

では、イノベーションは、社員の人生にどう貢献するだろうか?彼らがいつもどおりの仕事をしているならば、なぜそれを変えなくてはいけないのか?

あなたがそうしろと言ったからだろうか?

もちろん、あなたが仕事のやり方を変えろといえば、彼らは頷くだろう。

しかし、彼らが自分の人生の目的と仕事の間に、深いつながりを感じることができなければ、彼らがあなたの会社に必要なコミットメントや関わりを提供してくれることはないだろう。

彼らはなぜ、「あなたの」会社をイノベーションしなくてはいけないのか?

という質問に答えてほしい。

社員が自主的に改善活動をしてくれない、と嘆く経営者は多いが、この質問に答えを持っている経営者はほとんどいない。

その質問に答えるには、彼らの心の中に入り込む必要がある。彼らは人生で何を大切にしているのか?仕事から何を得ようとしているのか?

「彼らは給料がほしいと思っている」

と答えたあなたは、考え直してほしい。これはお金についての質問ではない。人生ついての質問なのだ。彼らにとっての仕事とは、どんな意味を持っているのかを理解しなければいけない。

そしてさらに、彼らの仕事は何かを定義しなくてはいけない。

彼らは同じやり方で仕事をやり続けることを自分の仕事だと思っているのか?または、やり方を改善していくことを仕事だと思っているのか?

彼らが入社し、仕事に取り組み始めるまさにその瞬間が大切なのだ。

次に、イノベーションと数値化をセットで考えなくてはいけない。どこをイノベーションするのか、どれだけイノベーションするのか?

そしてイノベーションの結果、どれだけの影響があったのか?

それらをみんなが数値で把握できるようにしよう。

イノベーションについて、最後にもうひとつ考慮しなくてはいけないことは、報酬システムである。

事業とはゲームであり、あなたは社員が挑戦する価値があると思えるゲームのルールを作らなければいけない。

イノベーションを行うことが、彼らにとっての評価につながらなくてはいけない。彼らの達成を祝い、彼らが行ったイノベーションに注目を当てよう。

彼らが行ったイノベーションがあなたにとって、とても大切なことであると彼らに言葉で、態度で伝えるのだ。それがビジネスオーナーに求められる“一貫性”である。

マイケルE. ガーバー

マイケルE. ガーバー

米EMyth創業者、Michael E.Gerber Companies会長。世界No.1のスモールビジネスの権威(米INC誌による)。1977年に世界初のビジネスコーチング会社、マイケル・トーマス・コーポレーションを設立。その後、約40年間にわたって、7万社の中小・スモールビジネスをクライアントに抱える会社に成長させた。「E-Myth革命」や「会社をE-Myth化する」などの言葉が生まれるほど、世界中のスモールビジネスに変革をもたらしてきた。1985年には、初の書籍、「E-Myth(邦題:はじめの一歩を踏み出そう)」を出版。「起業家の視点(職人、マネージャー、起業家という3つの人格)」、「ビジネスのシステム化」、「フランチャイズプロトタイプ」、「ビジネス開発プロセス」などの新しい概念を提唱し、現在につながる、スモールビジネス経営の新しいスタンダードを創った。同書は、16カ国語に翻訳され、700万部以上のベストセラーとなっている。

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