経営者の仕事


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私のところにやってくるビジネスオーナーは、たくさんの“帽子(役割)”をかぶっている。一人社長だろうと、多くの社員がいる会社のオーナーでも同じである。彼らは社長(CEO)であり、営業マネージャーであり、財務部長でもある。

実際のところ、ほとんどの会社でそれは避けられない。どこかで人が足りていない役職があり、その役職をビジネスオーナーが兼任しなくてはならない。

問題は、すべての役割を完璧にこなせる人などいない、ということだ。何かの仕事が欠けていたり、何かの知識が欠けていたり、何かの能力が欠けていたりする。

だからビジネスの成長が、ビジネスオーナーの個人的な知識や能力に依存してしまう。その問題を解決するため、彼らがやることは、より多くの“何かをやる能力”を身に付けようとすることだ。

実のところ、それは問題の解決策にはならない。

ビジネスオーナーが身に付けるべき能力は、大半の人が必要だと思っている能力とは異なる。

優秀なビジネスオーナーは常に二つのことを意識しながら働いている。

1.ビジネスが成長し、繁栄するために必要な、すべての“仕事“は何か?

2.それらの仕事を達成するために必要な、すべての“役職”は何か?

これら二つを理解することが、効果的で、組織化された会社を創るために必須である。

これら二つが理解できない限り、どんな人材がどれくらい必要なのか?を理解することができない。

会社を外側から見ることができなければ、それは簡単なことではないかも知れない。そして、それが故に、多くの会社は正しく組織化されない状態で運営され続けている。

すべてのビジネスにおいて、戦術的な仕事と戦略的な仕事のふたつが存在する。戦術的な仕事とは日々の業務である。たとえば、商品やサービスを提供したり、必要な事務作業を行ったり、などだ。

戦略的な仕事とは、計画や企画を通じて、“どんな仕事が必要なのか?“を検討することだ。

大半のスモールビジネスでは、戦術的な仕事だけが行われており、戦略的な仕事が抜けているのである。

だから今日、あなたに考えてほしいことは次の三つだ。

・ビジョン・・・あなたの会社は何を達成したいのか? 

・ビジョン達成のために必要な、すべての仕事は何か?

・その仕事を成し遂げるために必要な役職は何か?

これら3つの答えなしに、採用計画やシステム化はあり得ないことを覚えておいてほしい。

マイケルE. ガーバー

マイケルE. ガーバー

米EMyth創業者、Michael E.Gerber Companies会長。世界No.1のスモールビジネスの権威(米INC誌による)。1977年に世界初のビジネスコーチング会社、マイケル・トーマス・コーポレーションを設立。その後、約40年間にわたって、7万社の中小・スモールビジネスをクライアントに抱える会社に成長させた。「E-Myth革命」や「会社をE-Myth化する」などの言葉が生まれるほど、世界中のスモールビジネスに変革をもたらしてきた。1985年には、初の書籍、「E-Myth(邦題:はじめの一歩を踏み出そう)」を出版。「起業家の視点(職人、マネージャー、起業家という3つの人格)」、「ビジネスのシステム化」、「フランチャイズプロトタイプ」、「ビジネス開発プロセス」などの新しい概念を提唱し、現在につながる、スモールビジネス経営の新しいスタンダードを創った。同書は、16カ国語に翻訳され、700万部以上のベストセラーとなっている。

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