「会社を外から見る」とは?


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私たちは、日々仕事をしている中で、“轍(わだち)”に入ってしまうことがある。“自分たちのやり方”に慣れてしまい、もっとよい方法を見つける可能性を閉じてしまっている。

私たちのセミナーに参加した一人の参加者を例にとって見よう。彼は建設会社を15年経営していた。その間、あまり休みを取ることはなく、休暇を取ったとしても、1日に何度か会社に電話して状況を確認していた。時には休暇を中断して、会社に戻ったこともある。彼は自分が作った会社を誇りに思っており、自分なしでは経営できないと信じていた。

ある日、彼は友人から私の本とCDを手渡され、セミナーに参加したのだ。彼は、突然壁に突き当たったようだ、と言った。15年間、彼のビジネスは成長していなかったのだ。売り上げは安定していたが、効率的とはいえなかった。

彼はセミナーに参加して、“ひらめきの瞬間”を体験したのだ。

こういったことは誰にでも、いつでも起こりえる。そしてそのときに、もっといい方法があったのに、と思うのである。

建設会社の彼は、たまたま私の本を読んだことがきっかけになった。そういった偶然に身を任せるのも手であるが、もっと良い方法がある。轍から抜け出し、ひらめきの瞬間を体験する方法が。

以下の3つのことを実行してみよう。

 

委任
誰かにあなたの仕事を委任する。これはシンプルな話であるが、自分自身で仕事をこなすことに慣れてしまった人にとっては、とても難しいことだ。ただし、優れたリーダーシップの要件は、効果的な委任方法にある、ということも忘れてはならない。

社員に責任と権限を与えることを常に考える必要がある。そうすることによって彼らは成長し、あなたは戦略的な仕事に時間を使うことができる。

 

回復の時間
”会社から離れることがあなたの最高の仕事”というときもある。会社から離れ、大きな青写真を描く時間と空間を持つことが大切だ。

荷物をまとめて、1日ホテルにこもってみてはどうだろう?ホテルでなくても、新鮮な気持ちになれる場所であれば良い。そういうときは、Eメールをチェックしたり、電話の電源を入れてはならない。深く考えることだけに集中しよう。

私のクライアントの一人は、1日、そういった時間を取ってアイデアを考え続けた。1時間も経つとアイデアがあふれ出して来たそうだ。その後、彼はその日に浮かんだ無数のアイデアを実行するために、1ヶ月を使った。

 

創造
卓越した会社を作るための、最初のステップは、生き生きとしたビジョンを描くことである。あなたの会社はどのように見えるのか、どのように感じるのか、どのように行動するのか、私たちのプロうグラムでも最初のステップは、そういったビジョンを構想することになっている。

組織のリーダーは、将来像について、極めて明確な見通しを持っていなくてはならない。映画「不思議の国のアリス」の猫が言っていた事を思い出そう。

“どこに行くか分からないなら、どの道を行くかはどうでもいいじゃないか。”

もし、あなたが明確なビジョンを持っていれば、ほかの人はそれを実現するのを助けてくれる。

この進歩の早い時代だからこそ、いま言った3つのことがとても大切になる。戦術的な仕事だけに没頭していては、いつその仕事が無くなってしまっても不思議ではないのだ。

自分自身に起業家の時間と空間を与えることで、ひらめきの瞬間を体験できるだろう。それは、あなた自身と会社にとって最高の贈り物になる。

マイケルE. ガーバー

マイケルE. ガーバー

米EMyth創業者、Michael E.Gerber Companies会長。世界No.1のスモールビジネスの権威(米INC誌による)。1977年に世界初のビジネスコーチング会社、マイケル・トーマス・コーポレーションを設立。その後、約40年間にわたって、7万社の中小・スモールビジネスをクライアントに抱える会社に成長させた。「E-Myth革命」や「会社をE-Myth化する」などの言葉が生まれるほど、世界中のスモールビジネスに変革をもたらしてきた。1985年には、初の書籍、「E-Myth(邦題:はじめの一歩を踏み出そう)」を出版。「起業家の視点(職人、マネージャー、起業家という3つの人格)」、「ビジネスのシステム化」、「フランチャイズプロトタイプ」、「ビジネス開発プロセス」などの新しい概念を提唱し、現在につながる、スモールビジネス経営の新しいスタンダードを創った。同書は、16カ国語に翻訳され、700万部以上のベストセラーとなっている。

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