サービス業の会社を売却・事業承継可能にするには


前回、前々回に引き続いて、ジョン・ウィロー氏の話をご紹介します。

前々回:中小企業経営者が会社を売却するには
http://blog.entre-s.com/303

前回:サービスを商品化しよう – Basecamp(37signals)の例
http://blog.entre-s.com/309

今回は、サービス業の会社を売却・事業承継するためのヒントになっています。

以下からご覧ください。


世の中の大半の中小企業はサービス業である。サービス業は一般的には売却可能な状態にしにくいとされている。それは、事業の運営が人に大きく依存しているからだ。

その状況から抜け出すためには、大半の場合、提供しているサービスの見直しが必要になる。サービスを”商品化”するのはその第一歩である。

ここではさらに、サービスを見直すための方法をご紹介する。あなたの会社が提供している各サービスについて、次の点を考えてほしい。

1.それは教えることが出来るか?
サービスの提供を社員に教えることが出来るか?言い換えれば、そのサービスを顧客に提供することはどれだけ簡単だろうか?教えることが難しければ難しいほど、あなたが現場を離れることが難しくなる。

2.顧客にとって価値があるか?
そのサービスはどれくらい顧客にとって欠かせないものか?

3.繰り返し需要が発生するか?
繰り返し需要が発生しなければ、収益が安定せず、会社の買い手にとっては魅力が薄くなってしまう。

これら3つの条件を満たすサービスを提供していれば、あなたの会社は売却可能な状態に出来る可能性が高い。

例として、あるデザインの会社の事例をご紹介する。

その会社は、プロジェクト型で顧客からデザインの制作を請け負っていた。社員は10人。社長も含めてほとんど全員がデザイナーだった。

経営者は、顧客に振り回される現在の状態から、もっと安定した売上げを見込める仕組みを作りたいと考えていた。

彼らがまず行わないといけないのは、サービスを商品化することだった。プロジェクト型の案件受注を止め、売上げを予測可能にしなくてはいけなかった。

そこで、彼らはこれまでに受注した案件を見直してみた。案件はウェブサイト制作、パンフレット制作、ロゴ制作、名刺制作、ポスター制作など、多岐にわたった。

問題は、これら多岐にわたる案件に対応できるのは、経営者だけだったことだ。経営者が顧客との窓口となり、仕事を社員に割り振る。必然的に経営者は職人的な仕事が多くなり、経営の仕事に時間を割くことが出来ずにいたのだ。

そこで、彼らは、提供している各種サービスの中で、上記三つの条件を満たすサービスはどれかを検討した。教えることが出来、顧客にとって価値があり、繰り返し需要が発生するサービスはどれか?

彼らが選んだ答えは、ロゴ制作だった。

ロゴは顧客にとって重要な問題であるし、大きなクライアントであれば、商品毎、ブランド毎にロゴが必要になるため、繰り返し需要が発生する。さらに彼らはロゴ制作の流れを分解し、システム化した。そして、社員に教えることが出来るようにした。

彼らはロゴ制作サービスに特化した。1つのロゴにつき、あらかじめ決まった値段で販売するようにした。そうすることで、見積もりの作業を省くことが出来、効率化が可能になった。

次に彼らは、デザイナーではなく、営業担当者を雇った。単価が決まっているロゴの制作であれば、経営者でなくても販売することが出来る。営業担当者が案件を獲得し、デザイナーに仕事を回す。

そのような仕組みを作ったことで、経営者の時間の使い方は劇的に変化した。さらに、営業に専念しているスタッフがいることで、売上げは予測可能になったのだ。

中小企業の場合、売上げをあげようと思って増やしたサービスのラインナップ多さが、逆に経営の効率を妨げることがある。上記3つの条件をもとにして、自社のビジネスを見直してみてほしい。

清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。

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