「なぜ大半のスモールビジネスが成功しないのか?」ターンキー革命基礎理論(1/5)


編集注:この文章は、マイケルE.ガーバーが1980年代に行った講演「ターンキー革命」を文字にお越し、日本語化したものです。事例や数字などのデータが古いことがありますのでご了承ください。

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ガーバー:今日皆さんに紹介したい最重要テーマは、「なぜほとんどのビジネスが上手くいかないのか?そして、それにどう対処したらよいのか?」ということです。このテーマは私の本、『The E-Myth(はじめの一歩を踏み出そう)』で取り上げています。この30~40分で皆さんにお話したいことがまさにそれです。

なぜほとんどのビジネスが上手くいかないのか?それにどう対処したらよいのか?実際問題として、ほとんどのビジネスが成功していません。これは事実です。皆さんが統計に詳しいかどうかわかりませんが、アメリカのビジネスの現状を客観的に把握しておくことはとても大切です。

国税庁によると、今日、1810万もの企業がアメリカにはあるそうです。その1810万の企業のうち、100人以上の従業員を抱える企業は10万しかありません。ということは、1810万社のうち、1800万社は中小企業ということになります。

もう1つほとんどの人が理解していないのは、ビジネスの世界では毎年何らかの変化が起きているということです。今までにないスケールでもっと多くの人がビジネスを立ち上げています。毎年100万人以上の人が絶対的な確信を持って新しいビジネスの世界に飛び込んでいるわけです。「独立すれば生活も良くなるし、財産も増える、そして、上司もいなくなるぞ!」と意気込んでいます。

けど、残念なことに、結局彼らは仕事が上司になってしまっているだけなのです。彼らの起業の方法が失敗を生み出します。統計や確率の話で言えば、彼らは相当分が悪いということに気づいていない。もし彼らがビジネスの世界に飛び込むこと、自分で経営すること、小さい会社のオーナーになることがどんなことなのかと真に理解していたら、独立のための資金を将来のために貯金してしまう人がほとんどでしょう。言い換えれば、今の仕事を辞めずに続けることを選ぶということです。

ここで私が言いたいのは、なぜ多くの経営者が大きな問題を抱えているかという理由です。おそらく、たいていの人が理解できないくらい大きな問題なんです。それは何かと言うと、起業する人が自分がどういった状態であるかちゃんと認識できていないという問題です。考えてみてください。去年立ち上がった100万もの企業のうち、80万が5周年を迎えるまでになくなります。100万のうち80万社がすぐに廃業です。皆さんの中で5年以上ビジネスを続けている方がいても、決して安堵のため息をつかないでください。というのも、生き残った残りの20%、つまり、20万の企業のうち、さらに5年後までにはその80%がまた消えているからです。最初の5年で消えなくても、次の5年で消えるでしょう。

では、みんながビジネスで失敗する原因とは一体何なのか?経済?利率?良い人材が確保できないから?義理の父親や母親、夫や妻、姉妹や兄弟といった家族なのか?いつも決まって聞く理由は資金不足。はっきり言いましょう。そのどれも原因じゃありません。そして、これから先もそれは変わりありません。経済も関係ないです。利率も違う。父親、母親、夫や妻、それも問題ではありません。市場競争でもないです。もっとはるかに深くて重要な原因があるんです。しかも、たいていの人がその原因を直視することをためらいます。アメリカのビジネスにおける問題とは、ビジネスのオーナー、つまり、起業家自身なのです。

起業する人につきまとう問題。それは、自分が何をやっているかわかっていない。これに尽きます。そして、結果として、混沌と災難が彼らを襲うのです。なぜなのか?実のところ、そういった人は起業家ではありません。ちなみに、私の本の題名は、起業家の神話を意味しています。この「起業家の神話」こそ、諸悪の根源なのです。アメリカ全土にある中小企業に巣食う問題がこれです。

では、ビジネスを立ち上げる人が起業家じゃなかったら、一体彼らは誰なんでしょうか?誰がビジネスを始めるのでしょう?私の答えは、起業熱に浮かされた職人です。つまり、こういうことです。独立する時、大工は工務店として、会計士は会計士として独立します。プログラマーは、開発会社として、弁護士は自分の弁護士事務所を開き、医者も開業医になります。グラフィックデザイナーは自分のスタジオを持つようになる。みんなそれぞれの専門分野の技術的なことをよく理解しているから、得意分野のビジネスで経営もちゃんとできるはずだと信じきっているんです。しかし、これは全くの誤解です。専門分野の仕事の仕方を知っているということと、その分野で成功するビジネスを創り出すということは180度違うんです。

その思い込みは致命的なミスです。これこそが、失敗するビジネスのほとんど全てに共通している原因です。ほとんど全てのです。そういうビジネスのオーナーは、起業家としてビジネスを始めていないのです。そもそもビジネスを始める理由から完全に間違っているんです。なぜ始めるか?それは上司という存在をなくしたいからです。来る日も来る日も、誰か他の人のために毎回仕事をやっていると、技術者やエンジニアやドッグトリマーはこう思うわけです。「なんでこいつのために仕事をしてるんだ?自分のためにやったほうがいいんじゃないか?」って。あとは、「どんなバカでも経営できるだろ!こいつにできるなら俺(私)にもできるはずだよ」とか。こうして、上司という存在を取っ払うために、ビジネスを始めるに至ってしまう。そして、すぐに、絶対にすべきではないことをしてしまう。ビジネスではなく、単なる「仕事」を生み出してしまうんです。

皆さんにお伝えしたいことがあります。皆さんが普段目にするビジネスは全くビジネスではありません。単なる「仕事」です。仕事なんです。しかも、最悪の。週7日、毎日12時間働きっぱなし。仕事、仕事、仕事、仕事。そんな彼らには1つの先入観があります。「額に汗水流す労働こそが中小企業のあるべき姿」というね。誰がそんなことを思い付いたんでしょうか?長時間に渡る労働に次ぐ労働に慣れている職人です。しかし、成功するビジネスを創り出す方法は、まるでわかっていない。だから、結果として、単に仕事を生み出してしまうだけ。「もうしたくない!」と思うようになるまで、何度も何度も仕事をこなし続けるだけ。

起業した人のほとんどが、自分が創り出した仕事にがんじがらめにされます。そんな風になる必要はないと私は訴えたい。アメリカの中小企業のほとんどに見られる問題とは、ビジネスのオーナーが仕事をこなしているという点なんです。オーナーが仕事をやっているんです。「もうどうでもいい・・」って思うようになるまでし続けるんです。息切れ状態になるまでね。これはとんでもない状況ですよ、皆さん。そんな風になる必要はないんです。

ちょっと自分に問いかけてみてください、皆さん。毎日何をしていますか?電話を取ったり、ドアを開け閉めしたり、床の掃き掃除をしたりなどなど。しなきゃいけないことならどんなことでも、毎日毎日していますよね?なぜ??それは、誰かがしなきゃいけないから。皆さんより上手くできる人は誰でしょうか?皆さんほど一生懸命働く人は見つかりませんか?出社は遅いのに、帰宅するのは早い奴。ランチタイムにマリファナ吸ってる奴。人材に問題ありですか?それとも、お金に問題が?あれやこれやと色々問題が?

でも、本当に問題なのは、どの中小企業のオーナーも、自分のスキルに頼るしかないことを知りつつ、ビジネスを立ち上げてしまうということなんですよ。「私がビジネスそのものです」と、みんなは言います。自分自身に起業家という肩書を付けるんです。今までにそんな風に自分を思ったこともないのに。「私がビジネスそのものです。私がいなければ、ビジネスはなくなる」と、みんなは誇らしげに言います。けど、もうそれ以上仕事を続けられなくなったら、どうなるんでしょう?倒産です。

>>次に続く。

編集注:この文章は、マイケルE.ガーバーが1980年代に行った講演「ターンキー革命」を文字にお越し、日本語化したものです。事例や数字などのデータが古いことがありますのでご了承ください。

マイケルE. ガーバー

マイケルE. ガーバー

米EMyth創業者、Michael E.Gerber Companies会長。世界No.1のスモールビジネスの権威(米INC誌による)。1977年に世界初のビジネスコーチング会社、マイケル・トーマス・コーポレーションを設立。その後、約40年間にわたって、7万社の中小・スモールビジネスをクライアントに抱える会社に成長させた。「E-Myth革命」や「会社をE-Myth化する」などの言葉が生まれるほど、世界中のスモールビジネスに変革をもたらしてきた。1985年には、初の書籍、「E-Myth(邦題:はじめの一歩を踏み出そう)」を出版。「起業家の視点(職人、マネージャー、起業家という3つの人格)」、「ビジネスのシステム化」、「フランチャイズプロトタイプ」、「ビジネス開発プロセス」などの新しい概念を提唱し、現在につながる、スモールビジネス経営の新しいスタンダードを創った。同書は、16カ国語に翻訳され、700万部以上のベストセラーとなっている。

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