「事業開発システムの7つステップ」ターンキー革命基礎理論(5/5)


編集注:この文章は、マイケルE.ガーバーが1980年代に行った講演「ターンキー革命」を文字にお越し、日本語化したものです。事例や数字などのデータが古いことがありますのでご了承ください。

 


事業開発システムにおける重要な7つのステップについてちょっとお話しましょう。今皆さんがフォーカスすべきことはターンキーオペレーションを確立することです。これが完了したら、皆さんには選択肢があります。

1つは、フランチャイズにすることです。そうすれば、ビジネスに関わる問題を全て解決でき、瞬時に世間での注目も高まるでしょう。例えば、他とは全く違うビデオ制作会社を創ることができるでしょう。他とは全く違う小さなコンサルティング会社だとか。他とは全く違う証券会社や、他とは全く違う請負会社でもいいです。どんなビジネスでもOKです。自動車修理会社だったら、唯一無二の自動車修理会社になれます。

こういったことが可能なのは、皆さんがビジネスを形作る過程を経ているからです。ビジネスをより良くすることができるんです。「より良い」とは誰によって定義されているか?お客様です。お客様が、「これあなたが全部やっているんですか?」と、驚きの眼差しで聞いてくるに違いないでしょう。そして、最終的にはフランチャイズにすればいいんです。

もしフランチャイズにしたくなければ、誰か経営者を雇うことです。経営者から毎週日曜に電話で報告を受ければいいんです。経営者があなたに代わってシステムを動かしていきますから。そして、もし皆さんが我慢強い人だったら、システムを築き上げた後、自分もそこで働きに行けばいいでしょう。以前と違うのは、1/3の労力で10倍の成果を出せるという点です。なぜそれが可能なのか?システムを築き上げ、その中で働いているからです。それこそが皆さん一人ひとりに必要な手段なんです。こういったシステムを持っている人は実に少ない。

さて、成功するビジネスを創り上げるプロセスに必要な7つのステップを紹介します。最初のステップ。何を求めているのか?何がほしいのか?自分のビジネスためじゃないです。私は「主要な目的」と呼んでいますが、人生で何を成し遂げたいのかということです。人生での目標を描けなかったら、達成できません。

その目標が描けたら、第2のステップに来るのがビジネスなんです。ビジネスとは目標達成の手段であり、それ自体が目標ではありません。ビジネスとはそのオーナーや社員など関わる人々にもっと活力を与えてくれるような存在であるべきです。そうじゃなかったら、誰がビジネスなんて始めるもんですか。時間の無駄ですし、バカげていますよ。

考えてみてください。あるアイデアを基に独立し、とても興奮していて、「週に462時間働けるぞ!もう待てない!」って喜んで叫ぶ人がいますか?頭からビジネスのことが離れなくて、寝ても覚めてもビジネスの事ばかり話しているんですよ?ビジネスが全て。でも、結局、何も上手くいかないというオチになる。賢い戦略とは、上手くいくビジネスをイメージし、自分にもっと活力を与えることです。

総収益、売上総利益、税引前当期純利益などはどの程度なのか?お客様はどういった人たちなのか?ビジネスの規模はどうなるのか?地元でやるのか、全国に広げるのか、それとも、海外にも展開するのか?ビジネスを創り上げた時、そのビジネスがどんな感じになっているかイメージするんです。ちょうど、先ほどお話したトーマス・ワトソンやレイ・クロックが持っていたビジョンのように。優秀な起業家は皆ビジネスを創り上げた時の絵が見えています。言わば、これから皆さんが建てようとしている家の設計図です。どんな風になるのかさえもわからなかったら、どうやって始めるんですか?

3番目のステップ。組織図です。どの中小企業にも組織図が必要です。「組織図なんてなんで必要なんだ?みんなやることはわかってる」って言われそうですが、中小企業における問題は「機能」ではなく、「人」に基づいてビジネスを創り上げている点です。機能ではなく、人に基づいてビジネスを立ち上げるとどうなるでしょうか?その人が去ったら、ビジネスが崩壊するんです。

「なんてこった!メアリーが去ってしまった。これからどうしよう?メアリーに代わる人を見つけなくちゃ。でも、メアリーは何をしていたんだっけ・・?全部の仕事だったー!」 こんなことになりかねませんよ。そうなったら、こういう広告を出すんです。「なんでもこなせる人募集!マーケティングと事務のエキスパート。それと、私のシャツを洗濯してくれるエキスパート」ってね。こんな広告には誰も応募しないですよね。

そして、メアリーに代わって業務する人を雇うとなると、17人も必要だってことに気づくんです。組織図を用いて、ビジネスの機能の観点から考えなければなりません。皆さんのビジネスの中にはどういった職種があるのかしっかりと把握しなければなりません。マーケティングもあれば営業もありますし、経理だってあります。そういった職種に就く人のパフォーマンスを測る基準は何でしょうか?

第4のステップは管理システムです。どのようにビジネスを管理していくかイメージしてください。そして、マネージャーにその管理方法を教える必要があります。第5のステップ。これは、人材育成です。「良い人が見つからないよ。良い人を雇う余裕なんかないよ」と言う人をよく見かけます。しかし、それは彼らの問題ではありません。ちょうど資本金の問題と同じですよ。お金はお金を生み出しません。頭がお金を生み出すんです。

間違ったビジネスで、しかも間違った方法で頭を使っている人が多い。さらに、頭が生み出すものはお金だけじゃありません。働く人の所属意識を高める環境を作るのも頭なんです。ですから、皆さんに必要なのはとてつもなく優秀な人材を見つけることではなく、普通の人を魅了する素晴らしいビジネスを創り上げ、その普通の人が優秀な人材に育つようにすることなんです。皆さんが築くシステムにおいて、人材育成は非常に大切です。

6番目のステップはマーケティング。お客様は誰なのか?デモグラフィックデータとサイコグラフィックデータがあります。デモグラフィックとは、誰がその商品を買うのかという市場の現実を見極めるための科学です。一方、サイコグラフィックは市場で認識されている現実を把握するための科学です。なぜ人々はその商品を買うのかということについてです。誰が皆さんの商品を買うのか?なぜその商品を買うのか?皆さんは消費者の立場に立って、この2点に気を配らなければいけません。

そして、最後に来るのがシステムの構築です。ハードシステム、ソフトシステム、情報システムの3つがあります。ハードシステムは私たちの周りにある物全てです。例えば、床や壁の色、マクドナルドの黄金色のアーチ、フェデックスのトラックの色がそうです。デザイン全体についてです。自分のビジネスにおける視覚的なデザインを隅々まで理解し、お客様が一発で認識できるようにそれを統一しなければなりません。

次にソフトシステム。何かというと、私たちが使う言葉です。お客様が電話してきた時、何と言って答えますか?セールスマンが何か商品を売り込む時、どういう言葉を使いますか?ソフトシステムは全て音に関係しているんです。言葉という音に。そして、コミュニケーションの中身にも。

最後に、情報システムについてですが、平たく言えば、これはどうやって数えるかということです。株式資本利益率や投資利益率はいくらだ?これやあれは何だ、いくらだ?つまり、数字について知るということですね。なぜこれが必要かと言うと、さらなる革新を起こすために、数量化によって自分のビジネスの影響力を測るためです。

さて、私が皆さんに本当にお伝えしたい法則はとてもシンプルです。中小企業の大部分が失敗する理由は、オーナー自らがすべきでない仕事をするからなんです。オーナーが身を引いても上手く運営可能なビジネスを思い描き、そのビジネスを形作るために仕事へ向かい、自分なりのシステムを築いたなら、自分の手の中に全体像が収まり、クリアに見えます。自分自身とビジネスを切り離して見ることができるんです。

皆さんがビジネスの一部になるんじゃなくて。それができたら、皆さんの人生は一変します。それができたら、皆さんは保険の販売員になる必要はなくなります。保険がひとりでに売れて、皆さんはそれを管理するだけでいいのですから。「じゃあ、何のビジネスを始めればいいの?」と思っているかもしれませんが、それは皆さんが決めることです。そして、お客様が何を求めているかを見極めてください。それが起業家の仕事です。

皆さんが真実だと思っていることじゃなくて、お客様が必要だと認識していることを把握してください。理解し、求め、実行したら、全てが変わるでしょう。そして、未来は皆さんのものになります。以上です。ありがとうございました。

編集注:この文章は、マイケルE.ガーバーが1980年代に行った講演「ターンキー革命」を文字にお越し、日本語化したものです。事例や数字などのデータが古いことがありますのでご了承ください。

マイケルE. ガーバー

マイケルE. ガーバー

米EMyth創業者、Michael E.Gerber Companies会長。世界No.1のスモールビジネスの権威(米INC誌による)。1977年に世界初のビジネスコーチング会社、マイケル・トーマス・コーポレーションを設立。その後、約40年間にわたって、7万社の中小・スモールビジネスをクライアントに抱える会社に成長させた。「E-Myth革命」や「会社をE-Myth化する」などの言葉が生まれるほど、世界中のスモールビジネスに変革をもたらしてきた。1985年には、初の書籍、「E-Myth(邦題:はじめの一歩を踏み出そう)」を出版。「起業家の視点(職人、マネージャー、起業家という3つの人格)」、「ビジネスのシステム化」、「フランチャイズプロトタイプ」、「ビジネス開発プロセス」などの新しい概念を提唱し、現在につながる、スモールビジネス経営の新しいスタンダードを創った。同書は、16カ国語に翻訳され、700万部以上のベストセラーとなっている。

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