商品を量販店に卸すのは最悪の選択肢?


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この記事は、マイケルE.ガーバーがスモールビジネス経営者フランシンの相談にのっているインタビュー音声を書き起こしたものです。フランシンは、Hands2Go(http://waterjourney.com/)という手の消毒液を販売しています。もっと販売するために資金調達をどのように行うべきか?という質問をガーバーにしました。


 

マイケルE.ガーバー:
フランシン、創業して何年経っていますか?

 

フランシン:
13年です。ただ、3年前から商品を再設計して、新しく売り始めたところです。

 

マイケルE.ガーバー:
どう再設計したのですか?

 

フランシン:
私たちの商品は手の消毒液です。アルコールを使っておらず、安心であることが特徴です。ただ、元々の商品は、感触がほとんど水と変わらないために、本当に消毒できているのか不安、という声がユーザーからあがってきました。そこで、液を泡にして出せるようにパッケージを変えたのです。するとうまく消毒できていると感じてくれるようになりました。商品自体は変えてないのですが。

 

マイケルE.ガーバー:
なるほど。どうやって販売しているのですか?

 

フランシン:
小売店を通じてです。全部で5000店舗くらいに卸しています。トイザらスやベビーザらスなどです。去年の売り上げは約1億円でした。問題はこれよりさらに伸ばすには、プロモーションを大々的にしなくてはいけないことです。それには、外部から資金を調達する必要があります。

 

マイケルE.ガーバー:
わかりました。あなたの問題は、お金を稼ぐために、まずお金が必要だということですね。お客さんを集めるために、お金が必要だと。しかし、私が見たところ、あなたの問題はそこにはありません。あなたの問題は、どこでも手に入れられるものを売っていることです。薬局でも、スーパーでも。あらゆるメーカーが同じようなものを作っていますね。

 

フランシン:
いえ、私たちの商品はそういった商品とは違いがあります。

 

マイケルE.ガーバー:
違いがあるのはわかりますが、その違いが十分でないことが問題なのです。消費者が見たときに、彼らの心を動かせるような十分な違いがないのです。そこで質問は、どうすれば、彼らの心を動かせるか?ということになります。これまでよりもはるかに多くの人たちの心を。それを、資金調達をする前に考えなければ、同じ問題が起こるだけです。

 

フランシン:
そのとおりですね。

 

マイケルE.ガーバー:
あなたに聞きたいのは、もし、資金を得ることができなかったら、商品を広げるために、他にどんな方法があるか?ということです。これがあなたが考えるべき、最も大切な質問です。どうすれば今より10倍売ることができますか?

 

フランシン:
ひとつ思いつくのは、学校などの施設に販売することです。子供の手にも優しい商品なので、受け入れてくれるかもしれません。小売店よりもはるかに市場が大きいです。 もともと手の消毒液の市場はとても、小さかったのです。それがここ数年で急速に広がってきてはいます。

 

マイケルE.ガーバー:
わかりました。その場合、同じに急速に競争が激しくなっていきますね。そうなると、小売店で売っていては、他の商品と何が違うのか、ますますわからなくなっていきます。

 

フランシン:
そのとおりかもしれません。

 

マイケルE.ガーバー:
私があなたに提案したいのは、直接、顧客と接して販売する方法を確立することです。これほど、物があふれている時代、スモールビジネスが資金を集めて、大々的にプロモーションを行い、量販店で販売することほど、馬鹿げた選択肢はありません。どうすれば顧客に直接販売できるか考えてください。

子供がいる母親の目の前で、泡を実際に出して、デモンストレーションすればすぐに売れるでしょう。小売店に卸していてはそれができません。だからほかの商品と見分けがつかないのです。

世の中の圧倒的に優れたブランドは、直営店舗を持っていますね。アパレル、自動車、アップル、ディズニー、なぜでしょう?そうしなければ伝わらないからです。

最初は家やオフィスで販売しても良いかもしれません。その後、小さな店舗を作って、あなたが信頼して販売を任せられる人だけに店舗を任せます。それを繰り返していくのです。

あなたの商品は、「手を出してください」と言って、泡を出してあげれば、良さが伝わる商品ですね。「手を出してください」「手を出してください」、そのやり取りが全米中のいたるところで行われるところを想像してください。

子供が学校から帰ってきたときにあなたの商品が必要になりますね?夫が仕事から帰ってきたときにあなたの商品が必要になりますね?もし、すべての人にあなたの商品が必要だと思うのであれば、そのようにして広げていくのです。

 

フランシン:
なるほど、わかりました。

 

マイケルE.ガーバー:
ところで、他にも商品はありますか?

 

フランシン:
いえ、企画しているものはありますが、まだありません。創るのにもお金が必要なのです。

 

マイケルE.ガーバー:
では、いまの商品を補完するような商品を見つけてください。必ずしもゼロから創る必要はありません。いまの商品と同じように、すべての家庭に必要となる、安全な商品を探してください。お金をかけなくても見つけられるはずです。

 

フランシン:
はい、わかりました。

 

マイケルE.ガーバー:
このような方法は時間がかかると思うかもしれませんが、ある時点を超えると急速に広がりだします。あなたのコントロール可能なレベルを超えて。だから今が始めるのに一番良いタイミングです。

 

フランシン:
わかりました。やってみます。ありがとうございます。

 

マイケルE.ガーバー:
さて、みなさんに言っておきたいと思います。

フランシンにも言いましたが、起業家はストーリーを伝えなくてはいけません。そのストーリーを、量販店を通じて伝えることは不可能です。資金力がある大企業ならばできるかもしれませんが、スモールビジネスには難しいでしょう。

だからあなたは顧客にストーリーを伝える場を創る必要があります。

あなたはどこでストーリーを伝えるのか?その場所と方法を創ってください。

また、スモールビジネスオーナーの多くは、長年の凝り固まった考えで、行動が制限されています。フランシンの場合は、資金調達しなければ、という思い込みで他の選択肢を考えることができませんでした。資金調達するのが良いアイデアだ、と一度思い込んでしまえば、それ以外の選択肢が目に入らなくなってしまうのです。

本当の起業家は、そういった制限を取り払って考えることができます。お金をかけずに機会を追及するにはどうすれば良いのか?と考えることができます。

そのためには、起業家的な時間とスペースを確保する必要があります。これはいつも言っていることですが、真っ白な紙とペンだけを用意して、静かな場所にこもってください。日常から離れた場所が必要です。

そして、思いついた言葉やアイデア、文章を書き記してください。何かを体系的に考えようとする必要はありません。感じたことを記録するのです。そういったことを定期的に、できれば毎日行う習慣を身につけることをお勧めしたいと思います。

 

マイケルE. ガーバー

マイケルE. ガーバー

米EMyth創業者、Michael E.Gerber Companies会長。世界No.1のスモールビジネスの権威(米INC誌による)。1977年に世界初のビジネスコーチング会社、マイケル・トーマス・コーポレーションを設立。その後、約40年間にわたって、7万社の中小・スモールビジネスをクライアントに抱える会社に成長させた。「E-Myth革命」や「会社をE-Myth化する」などの言葉が生まれるほど、世界中のスモールビジネスに変革をもたらしてきた。1985年には、初の書籍、「E-Myth(邦題:はじめの一歩を踏み出そう)」を出版。「起業家の視点(職人、マネージャー、起業家という3つの人格)」、「ビジネスのシステム化」、「フランチャイズプロトタイプ」、「ビジネス開発プロセス」などの新しい概念を提唱し、現在につながる、スモールビジネス経営の新しいスタンダードを創った。同書は、16カ国語に翻訳され、700万部以上のベストセラーとなっている。

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