会社の排他的な知的財産は何か?


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この記事は、マイケルE.ガーバーがスモールビジネス経営者ナンシー・スティーブンスの相談にのっているインタビュー音声を書き起こしたものです。ナンシーは、シカゴでOaklee’s guide (http://www.oakleesguide.com)という家族向けのフリーペーパーを発行しています。他のエリアにも展開するにはどうすれば良いか?という質問をガーバーにしました。


 

 

マイケルE.ガーバー:
ではナンシー、いまのビジネスについて教えてください。

 

ナンシー:
私たちは10年ほど前から、シカゴ地区で、家族向けのフリーペーパーを年に四回配布しています。紙のほかにウェブサイトもあります。売り上げは広告主からのものです。これまでは細々とやってきましたが、これからもっと成長させ、他のエリアにも拡大させたいと思っています。 それをどうやれば良いか相談したいのです。

 

マイケルE.ガーバー:
フリーペーパーの情報はどうやって集めてますか?

 

ナンシー:
二通りあります。ひとつは、自分たちでいろいろな施設を回ったり、インターネットで調べて、家族向けのお祭りやイベントなどのスケジュールを収集することです。もうひとつは、イベントを主催している団体にウェブサイトのアカウントを付与して、彼ら自身で情報を提供してもらう方法です。

 

マイケルE.ガーバー:
では、編集の仕事自体はそれほどの負荷がないわけですね。発行部数はどれくらいですか?

 

ナンシー:
12万5千部です。年四回なので、50万部発行していることになります。それらのほとんどが1か月以内に配布完了します。
 
マイケルE.ガーバー:
わかりました。あなたの質問に答えましょう。あなたのビジネスは簡単な考え方で複製可能です。あなたのビジネスは中央、すなわちあなたが今いる場所で行う仕事と各地元地域で行うべき仕事に分けられますね。中央で行う仕事は、リサーチや編集です。そして、地元地域で行う仕事は広告を取ってくる営業の仕事です。

ビジネスを他の地域へ拡張させたいのであれば、その地元地域で行うべき仕事、広告営業の仕事を完全にシステム化することです。そして、自分たちで他のエリアに営業拠点を出してもいいですし、そのビジネスをフランチャイズにしても良いでしょう。

 

ナンシー:
わかりました。

 

マイケルE.ガーバー:
そこで大事なのは、どれくらいの人口がある地域であれば、そのビジネスが成り立つか?です。収益が見込める最低限の数字を把握する必要があります。要するに商圏です。それは把握していますか?

 

ナンシー:
そうですね、正確には把握していませんが、その地域の18歳以下の子供がいる家庭の30%に冊子を届けられれば良いと思っています。

 

マイケルE.ガーバー:
ではまず、商圏を把握してください。その数字が極めて大事です。自社でやるにしても、フランチャイズにするにしても。そして、次に、あなたが突き詰めるべきは、広告を売る機能です。そこから売り上げが生まれますからね。いまはどういう営業体制になっていますか?

 

ナンシー:
いまは業務委託の営業スタッフが10人と営業マネージャーがいます。

 

マイケルE.ガーバー:
ではやることは簡単です。その営業システムと同じシステムが、どの地域でも通用するようにしていけば良いのです。広告を売るビジネスがあなたにとっての事業のプロトタイプです。その事業のプロトタイプこそ、あなたの会社の財産であり、資産になります。

 

ナンシー:
わかりました。

 

マイケルE.ガーバー:
販売はシステムです。ですから、その営業スタッフが、広告を売るためにどういう行動を取るべきか、何を言うべきかを決めてください。そして、さらに、営業スタッフを採用し、トレーニングするシステムが必要になるでしょう。とてもシンプルな話です。

 

ナンシー:
わかりました。

 

マイケルE.ガーバー:
広告を売るための営業のプロセス、営業スタッフを採用し、トレーニングするためのシステム、それがプロトタイプです。それがあなたからフランチャイズ権を買う人から見たときの商品となります。フランチャイズするにしろ、自社で他の地域に展開するにしろ、そういった考え方が必要になります。

 

ナンシー:
とてもよくわかります。

 

マイケルE.ガーバー:
ところで冊子の内容についてですが、家計のことについても載せていますか?

 

ナンシー:
いえ、載せていません。

 

マイケルE.ガーバー:
ではぜひお金についての情報も載せてください。なぜなら、家庭にとって、とても大事なテーマだからです。いまのような経済状態の世の中で、家計に苦しんでいる人がたくさんいます。どうやって自立してやっていくか?どうやってお金を貯めるか?そういったことを載せてみてください。みんなそういった情報を求めているはずです。

 

ナンシー:
そればとても良いアイデアだと思います。ありがとうございます。

 

マイケルE.ガーバー:
ぜひやってみてください。また進捗があったら教えてください。

 

ナンシー:
ありがとうございます。

 

マイケルE.ガーバー:
さて、ナンシーに言ったことをみなさんにも言っておきましょう。まず、多くのビジネスで必要になること、それは商圏を把握することです。

スターバックスやマクドナルドは自社の商圏を把握しています。しかし、大半のスモールビジネスは把握していません。自社の顧客がどこにいて、どこから来ているのか?どれだけの対象市場があれば、あなたの望むような収益を出せるビジネスが成り立つのか?競合が既にいるのであれば、彼らがどの程度の市場浸透率を持っているのかも調べる必要があるでしょう。

それを把握してください。商圏を分析するための情報はたくさんありますので、それらを探すとよいでしょう。

次に、自社の事業のプロトタイプは何なのか?を知ることです。ナンシーの場合には、広告を売る営業のシステムでした。彼女のビジネスを拡大させるには、営業のシステムを複製可能にする必要があります。そうすれば、他の地域にも拡張可能になります。それが彼女の会社の排他的な知的財産になるのです。

あなたの会社に置き換えたとき、それは何になるでしょうか?あなたの会社のビジョンを達成するために、決定的に重要な機能とは何か?

それを見つけて複製可能にしてください。

マイケルE. ガーバー

マイケルE. ガーバー

米EMyth創業者、Michael E.Gerber Companies会長。世界No.1のスモールビジネスの権威(米INC誌による)。1977年に世界初のビジネスコーチング会社、マイケル・トーマス・コーポレーションを設立。その後、約40年間にわたって、7万社の中小・スモールビジネスをクライアントに抱える会社に成長させた。「E-Myth革命」や「会社をE-Myth化する」などの言葉が生まれるほど、世界中のスモールビジネスに変革をもたらしてきた。1985年には、初の書籍、「E-Myth(邦題:はじめの一歩を踏み出そう)」を出版。「起業家の視点(職人、マネージャー、起業家という3つの人格)」、「ビジネスのシステム化」、「フランチャイズプロトタイプ」、「ビジネス開発プロセス」などの新しい概念を提唱し、現在につながる、スモールビジネス経営の新しいスタンダードを創った。同書は、16カ国語に翻訳され、700万部以上のベストセラーとなっている。

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