計画がなければ仕事に襲われる


 

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計画の話をしよう。誰もが「計画は立てましたか?」と言う。誰もが「私にはマーケティング計画があります」という。しかし、私は一度もまともなマーケティング計画を見たことがない。その理由は、誰も計画することを好まないからだ。そして、一体それが何であるか誰も知らないからなのだ。

ビジネス開発の過程においては、計画のスキルが重要になる。計画のスキルなしに何事も成し遂げることができない。

 

計画のベンチマーク

計画において重要なのが、ベンチマークだ。ベンチマークとは、計画の目標を達成する過程における中間的または過渡的な目標のことだと言っていい。別の言い方をすれば、目標に到達するために「これをしなくてはならない」というのがベンチマークだ。目標に向かって、ベンチマークのリストが出来る。

ベンチマーク1:○○
ベンチマーク2:○○
ベンチマーク3:○○
ベンチマーク4:○○

といった感じだ。

登山を例に挙げよう。登山のためには何が必要だろう? 何ともすごいベンチマークのリストができてしまう。第1にするべきこと、第2にするべきこと、第3にするべきこと、第4、第5、第6、第7、第8、第9にするべきことはなんだろう?

ベンチマークと目標は実をいえば同じものだ。どちらも、あなたの最終的な目的の実現に向けての中間ステップだ。

ベンチマークとはそれ自体がより小さい計画の目標である。同じように、その小さな計画におけるベンチマークは、別の小さな計画の目標となる。

ではその計画を作成するのは誰だろうか? ベンチマークの達成に責任を負う者が作成する。そしてまた計画の別の部分も彼が作成する。

そして、計画には期限が必要だ。

紙を手に取り、ベンチマークのリストをつくろう。縦3列の表を作って欲しい。左側の欄がベンチマークで、真ん中が責任者で、右側が期限を入れるのだ。

卓越したビジネスは細部にこだわるものだ。計画の細部を検討することは絶対不可欠であり、物事を始めるのに要する時間が短縮され首尾良く実行されることになる。

 

二つの仕事

さて、仕事には2つの形がある。ルーティン化したプロジェクトと特別なプロジェクトがある。特別なプロジェクトは2度と行わないかもしれないものだ。ルーティン化したプロジェクトは繰り返し行われる。

ビジネスにおいて計画を立てるたびに、将来に再びこれを行うことになるかを自分に問いかけて、もし行いそうなら計画はひな形になるよう作られるべきである。

そして、繰り返すに連れて、プロセスは定量化され組織化され、物事を行う正しいシステムとして完成するのだ。だから同じ計画を遂行する場合に、過去と同じ方法が利用できるのである。

 

計画の変更

誰かが言ったように、計画されたビジネスは計画されていないビジネスよりつねに上手くいくものだ。しかし計画を変更する方法が分かっているビジネスは、計画しても変更できないビジネスよりつねに成功する。

私たちの能力には限界があり、私たちの視野には限界があり、私たちの理解には限界があり、私たちの知識と経験にも限界がある。私たちは完全ではないのだから計画もまた完全ではない。

だから最初の計画に沿って始めたすでにそのとき、計画が完全ではないことが私たちには分かっている。現実に対する限られた理解に基づく決意なのだから、進展するにつれて計画に変更が加えられるものだということを理解しておくことだ。

SWATチームは計画に基づいて活動する。SWATチームの行動のすべての段階は、前もって予測され、実行され、リハーサルされている。トラックから降りることがリハーサルされ、ドアに向かうことがリハーサルされ、ドアに入ることがリハーサルされる、何度も何度も繰り返して行なわれる。SWATチームのリーダーがドア口で射撃されるのを目にすれば、計画は変更される。計画がなければ襲われてしまう。

同じように、私たちは四六時中、襲われているのだ。計画がないために仕事に襲われる。予想外のことに襲われる。計画があっても、変更しなければ襲われる。襲われるということは、私たちの計画がうまくいかないということを分かりやすく伝えているだ。

計画を立て、必要があれば変更しよう。それが私たちがやるべきことだ。いますぐそれに取り掛かろう。

 

スタッフのコミットメント

計画を期限どおり行うには、スタッフのコミットメントを取り付ける必要がある。スタッフから計画に対するコミットメントを取り付ける必要がある。

スタッフのコミットメントを取り付けるには、スタッフが計画を理解する必要がある。計画を理解するために、計画が紙にかかれている必要がある。自分の計画を書きとめ、ベンチマークを書きとめ、責任の所在を書きとめ、期限を書きとめる。

そのことによって、人々はコミットメントをもって計画を受け入れるのだ。書き記したとおりにいっていなければ、全員が誰かがミスをしたことに気づく。

 

決意によって計画を行う

計画に沿って物事を行うというのは、決意によって行うということだ。

計画とは決意以上でも以下でもない。電話は決意により応対され、決意により販売がなされ、カスタマーサービスは決意により行われる。決意は計画であり、計画には基準があり、計画にはベンチマークがあり、計画には責任が伴い、計画には時間 つまり期限が関係する。

新しいことが発見されれば計画に変更を加える。計画を実行に移すと、何かしらの反応が起こる。「この計画は失敗した」と。「これを知らない。あれを知らない。前提が外れている。数字が間違っている」

だからこそ計画が必要なのだ。計画は、私たちが現実と交信する手段だ。私たちが知らない現実と交信する手段だ。 分かっていただけるだろうか?

 

計画がなければ仕事に襲われる

あなたにこれまでとは全く違う方法で計画について考えて欲しいと思っている。計画とはアイデアを提案し、それに皆を従わせるものではない。

計画とは、みなで精一杯努力して考え抜くことだ。あなたの目的達成が確実なものになるために私たちがしなければならないことが何なのか?それについて責任があるのは誰なのか?誰のためにそれは成されるのか?生じる影響は何か?それはいつ為されるのか?一つ一つの構成要素は何か?

計画なしにとりあえずやってみる、という人が多い。とにかくやってみることを繰り返し、計画をしないSWATチームのように、仕事に襲われている人はスモールビジネスにたくさんいる。

トンネルの終わりに見える明かりを心に描きながら、ただ十分頑張り続ければ、十分長いこと働けば、ただそれをして、あれをして、これをして、それをやり続ければ、神様が降りて来て、あなたの額に手を触れて、「息子よ、おまえが十分頑張ったのは分かっている、さあ休みなさい」と言うのを待っているのだ。

しかし、実際には、その代わりに、誰かが降りて来て、こう言うのだ。「もう一日働いて、働いて、働き続けなさい」と。

マイケルE. ガーバー

マイケルE. ガーバー

米EMyth創業者、Michael E.Gerber Companies会長。世界No.1のスモールビジネスの権威(米INC誌による)。1977年に世界初のビジネスコーチング会社、マイケル・トーマス・コーポレーションを設立。その後、約40年間にわたって、7万社の中小・スモールビジネスをクライアントに抱える会社に成長させた。「E-Myth革命」や「会社をE-Myth化する」などの言葉が生まれるほど、世界中のスモールビジネスに変革をもたらしてきた。1985年には、初の書籍、「E-Myth(邦題:はじめの一歩を踏み出そう)」を出版。「起業家の視点(職人、マネージャー、起業家という3つの人格)」、「ビジネスのシステム化」、「フランチャイズプロトタイプ」、「ビジネス開発プロセス」などの新しい概念を提唱し、現在につながる、スモールビジネス経営の新しいスタンダードを創った。同書は、16カ国語に翻訳され、700万部以上のベストセラーとなっている。

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