ザッポス&パタゴニアを訪問してわかったこと


先週は一週間、米国の企業視察ツアー&ガーバー訪問をしてきました。

視察は何社か回ったのですが、今日は取り急ぎ、その中の2社、ザッポスとパタゴニアについて特に気づいた点をレポートさせていただきます。ご参考にしていただけると幸いです。

 

【ザッポス】
日本でも有名な靴のオンラインコマース企業です。

サービスを提供するついでに靴を売っている、と言われるほど優れた顧客サービスとそれを支える企業文化が有名です。

 

・新社屋
ラスベガス市の建物を改築し、新社屋にしてあります。
ザッポスはオフィスのテナント料を市に払うことで市の財政に貢献しています。

新社屋では、広場を動物園にしてしまい、地域住民との交流を図るなど、グローバルにビジネスをしながらも、ローカルコミュニティを大事にする姿勢がありました。

 

・ホラクラシー
ヒエラルキー型の組織構造を崩し、ホラクラシーと呼ばれる極めてフラットな組織を採用し始めました。
これだけの規模(社員1600名)でホラクラシーを導入するのは、世界でも類を見ないそうです。

まだ実験段階のようですが、社員の方からいろいろと詳しい話を聞いてきました。

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個人個人の仕事と責任を極めて明確にして、サークルと呼ばれるチーム単位で働きます。
そのため、仕事のスピード感がアップします。

一方で、上司がいないので、自主性が求められる組織になっています。
その仕組みに合わない人もいるようです。

ザッポスに倣って、単純に組織構造だけを真似ようとすると上手くいかないこともあるでしょう。

実際にホラクラシーを実践しようとして社内が混乱に陥った会社もあるようなので、導入には慎重さが求められると思います。

 

・広告の出し方
ザッポスは、ラスベガス空港の手荷物検査所のトレイがボロボロだったのに気が付き、新品のトレイを提供するとともに、そのトレイにザッポスのロゴを貼り付けました。

ラスベガス空港は毎日膨大な人が利用しますので、大きな宣伝効果があります。
世の中の役に立ちながら知名度を広げるというユニークな方法です。
単純に広告代理店にお金を払う以外にも、方法があるということですね。

ザッポスの写真はこちらから:
https://www.facebook.com/shimizunaoki.ex/posts/10153806204285742?pnref=story

 

 

【パタゴニア】
アウトドア用品で世界的に有名な企業です。

本社はカリフォルニア州ベンチュラという場所にあります。
世界的企業ですが、本社は意外にこじんまりしています。

そんな中でも創業当時の作業場が残されていたり、社員用の保育所があったりと、「パタゴニア」という企業を象徴するような本社になっています。

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・キャンペーンはやらない
米国の小売業では、ブラックフライデーと呼ばれる大きな商戦日があります。

多くの小売業がこの日には、キャンペーンを行うのですが、パタゴニアはこの日にあえて、パタゴニアの商品は買わないように、
という広告を出しました。

なぜなら、キャンペーンをおこなって新しい服を売りまくってしまっては、将来ゴミが増えることになるからです。

そこで、新しい服を買うのではなく、今持っている服を直して使ってください、というメッセージを出したのです。
(パタゴニアは服の修理サービスも行っている)

パタゴニアはもともと環境保護を軸に運営されている会社であり、こういった象徴的で一貫性のある行動を取ることで、ますますファンの心を掴んでいます。

当時の記事:
http://www.thecleanestline.jp/2011/12/dont-buy-this-jacket-black-friday-and-the-new-york-times.html

 

・4つの価値観
パタゴニアが大事にしている価値観は次の4つです。

Quality(高品質)
Integrity(誠実さ)
Environmentalism(環境主義)
Not Bound by Convention(これまでの慣例にとらわれない)

創業以来30年以上たち、社員が増えた今でも、これら4つの価値観が完全に引き継がれています。

たとえば「高品質」という面では、社内にファブリック・ラボがあり、高品質の生地の研究と開発が常に行われています。

先ほどのブラックフライデーの件は言行一致、つまり「誠実さ」の現れと言えます。

また、ウェットスーツ用の環境性能に優れた生地を開発し、特許を取得しましたが、その技術を他のライバルメーカーにも無償で提供しています。

これも自分たちの「環境主義」という価値観を実現するにはどうすれば良いか?と考えた結果だそうです。

このように価値観を単に言葉として並べるだけではなく、それを日々実感するように仕事が行われています。

パタゴニアの写真はこちらから:
https://www.facebook.com/shimizunaoki.ex/posts/10153809522245742?pnref=story

 

 

2社を訪問して

ザッポスとパタゴニア、この両社は社内の雰囲気も全然違いますし、働いている人もタイプが全然違います。

しかし、どちらにも共通していることがあります。

それは経営の原理原則に基づいて運営されていることです。

どちらの会社にも確固たる使命感と価値観があります。

会社の規模が大きくなっても、それが一人一人の社員に完全に根付いている。

そして、自社に合う人たちだけを社内に招き入れることで、企業文化を守り、さらに強めていっています。

タイプが違えども、原理原則を、”自分たちのやり方で”、自社に取り入れて運営しているということがとても良くわかりました。

清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。

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