「企業文化」 – 会社の人格


最近、新しいプロジェクトのため、企業文化というテーマを深堀しています。

企業文化は特にスタートアップ系の会社を中心に、現在注目を集めているテーマです。

また、職人型ビジネスから起業家型ビジネスへ変革する際、企業文化が障害になることもあります。

そこで今日は簡単に企業文化についてご紹介したいと思います。

 

企業文化とは?

企業文化の定義については、いろいろと解釈がありますが、ざっくりいうと、次のような感じです。

第一に、社員が共通して持つ信念や価値観の集合体であり、

第二に、組織と社員の活動を特徴づけるものである。

また、Paypalの共同創業者であり、「Zero to One」の著者であるピーターティール氏は、次のように言っています。

企業にとって文化とは持つモノじゃない。企業そのものが文化だ。
-ピーターティール

人が集まるところには文化が出来る。そして、会社ができれば文化が出来るというわけです。

風土と文化の違いは何か?

企業文化と並んで、よく出てくる言葉が「企業風土」です。組織風土、または社風などと言ったりします。

一般的に、企業文化と企業風土は同じような意味合いとして使われています。

しかし、英語で言えば、文化はCultureであり、風土はClimateであることから、正確には区別されて使われています。

会社を一人の人間と捉えたとき、

・風土はその人の感情

・文化はその人の人格

という例えがあります。

これは両者の違いをうまく表していると言えるでしょう。

風土は人の感情のように変わりやすく、一方の文化は人格のごとく変えがたいもの、ということです。

社内の雰囲気が明るいとか暗いとか、そういった表面上で判断できることは風土と考えられます。

風土も確かに重要ですが、風土を変えたところで、根本的な変化は起きないこともあります。

 

なぜ企業文化を気に掛ける必要があるのか?

それは、企業文化は業績に直結するからです。

これを良く表した例が、無印良品です。

ご存知の方もいると思いますが、無印良品には、MUJIGRAM(ムジグラム)という立派なマニュアルがあります。

実はこのマニュアルが出来る前は、「セゾン文化」と呼ばれる”先輩の背中を見て育て”という文化があったそうです。

仕事は見て盗むもの、という典型的な職人文化です。

これは創業者であるカリスマ、堤さんから生まれた感性主義の文化だったのです。

そのため、カリスマがいなくなると、仕事にばらつきが生まれ、38億円の赤字という業績悪化へと繋がっていきました。

それを変えたのが、松井会長です。

松井会長は感性主義から脱却し、仕組み主義へと脱却させ、MUJIGRAMを創りました。

結果、現場力が高まり、人材育成のスピードも高まり、過去最高の業績へと繋がったのです。

このように、職人志向の会社を起業家志向に変えていくには、企業文化も気に掛ける必要もあるのです。

もうひとつ、企業文化を気に掛けるべき理由があります。

それが、「採用」です。

海外の成長企業の間では、採用する際に、その人の能力や資質のみならず、その人が自社の企業文化に合うかどうか?が重要視されています。

これは以前お伝えした通り、採用した人が100%、またはそれ以上の能力を発揮できるかどうかは、その人が働く環境に左右されるからです。

グーグル社の元CEOエリック・シュミット氏は、著書「How Google Works」の中で次のように書いています。

”スマートクリエイティブは職を探す時に重視するリストの一番上に文化を持ってくる。実力を発揮するには、どんな環境で働くかが重要だとわかっているからだ。”

※スマートクリエイティブというのはグーグルが定義する優秀な人材の呼び名。

このように、採用の際、自社の企業文化に合う人かどうかを見極めるのがとても大切なのです。

 

企業文化はどこから生まれるか?

企業文化は、その会社が直面してきた、過去の課題や挑戦、それにどう対処してきたか?その成功体験、失敗体験を経て形創られるとされています。

例えば、私が以前在籍していたマイクロソフトは、創業当時から、ライバルを蹴落として売上を上げてきました。

その経験が成功体験となり、”これが私たちのやり方だ”と新入社員に伝承されていくことになります。

さらに会社の歴史を振り返っていけば、そもそも、創業者自身の価値観や信念が企業文化の構築に大きな影響を与えていることがわかります。

特に創業当初の企業文化は、創業メンバーの個人的な性格や背景、価値観が強く反映されています。

創業後、だいたい10人までのメンバーが持っている信念や価値観によって初期の企業文化が形作られると言われています。

彼らの仕事のやり方、ビジネスのやり方が組織のルールや構造になります。そして新しくチームに加わるメンバーは、そのやり方に従うことになります。

創業者の価値観によって会社が成功し続ければ、同じ価値観で運営され続け、逆に、その価値観では時代の環境についていけなければ、変革の必要性に直面します。

先ほどの無印良品の話はまさにその実例ですね。

 

優れた企業文化を創るには?

では、優れた企業文化、自社にとって理想の企業文化を創るにはどうすれば良いのか?

それにはまず現状分析が必要です。

社員個人個人の持っている価値観を明確化し、かつ会社の仕組みがそれに合うように創られているかどうか?

を分析します。

そののち、現状と理想のギャップを埋めるための仕組み作りを行ったり、どんな人を採用すれば良いのかを決めていきます。

実は、冒頭申し上げた、いま取り組んでいるプロジェクトは、まさにこの「優れた企業文化を創る」というところにフォーカスをしています。

日本では他に類するものがないプロジェクトになっていまして、まもなくモニターで導入していただける企業様を募集させていただく予定です。

ご興味のある方は、ぜひ楽しみにしていてください。

清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。