【脱】職人型ビジネスモデル


最近は、経営者の方と接している中で、職人型から抜け出しやすいビジネスと、抜け出しにくいビジネスがあることが分かってきました。

ガーバーの理論をかみ砕くと、

——————————————————-
視点:経営者の人生とビジネスの捉え方

ビジネスモデル:継続的に成長するための構造

組織:ビジネスモデルの実行力と改善力を生み出す人とシステム
——————————————————-

という3つが一貫性を持って、高度に融合することで、偉大な結果が生まれるということになります。

書籍「はじめの一歩を踏み出そう」をお読みいただくと、「視点」の部分は大体ご理解いただけると思います。

また、最近はメルマガなどを通じて、「組織」の部分を重点的にお伝えしてきました。

その結果、会社を劇的に変化させた方が多数いらっしゃいますが、一方、なかなか現状から抜け出せない経営者の方もいることが事実です。

その結果の違いが、「ビジネスモデル」の部分に弱点があることが分かってきました。

職人型ビジネスから起業家型ビジネスへ変革するには、上記3つの点について、

——————————————————-
「職人の視点」 ⇒ 「起業家の視点」

「職人型ビジネスモデル」 ⇒ 「起業家型ビジネスモデル」

「職人型組織」 ⇒ 「起業家型組織」
——————————————————-

というように、変革していく必要があります。

ガーバーは常々、

「発明家は商品を開発するが、起業家はビジネスを発明する」

と言っていますが、この言葉にビジネスモデルを重要視していることが表れています。

ガーバーの書籍をお読みいただいた大半の方は、おそらくマニュアル化の部分に目が行っていると思いますが、実は本をよく読んでみると、ビジネスモデルを変革することの重要性が所々に出てきます。

そこで、これから

【脱】職人型ビジネスモデル

というテーマで、どのようにして、職人型ビジネスモデルから、起業家型のビジネスモデルへと変革していけるのか?をお伝えしていきたいと思っています。

 

■職人型ビジネスモデルの兆候

職人型ビジネスモデルの兆候として次のような点が挙げられます。

•拡張していくイメージが付かない
⇒ガーバーによれば、ビジネスは正しく創られれば1万倍に成長することが出来ます。いまのビジネスを100年続けたとしても、1万倍になるイメージが付かないのであれば、ビジネスモデル自体に弱点があると考えられます。

 

•出口戦略がない
⇒ビジネスは経営者の人生と結び付けて考える必要があります。人の命には限りがあり、いつか今の会社で働けなくなる時が来ます。その時が来ることを前提として、ビジネスを組み立てる必要があります。それがここでいう出口戦略になります。出口戦略がないということは、「自分がずっと働き続ける」という不可能なことを前提としてビジネスを運営していることになります。

 

•何かに依存している
⇒大手の下請けの仕事しかしていない、特定のメーカ-の代理店である、また、どうしても人に依存しがちな業態の場合も職人型ビジネスから抜け出しにくくなります。

 

•オファー(顧客への提案内容)をしばらく変えていない
⇒オファーを変えていないということは、もしかすると、時流に付いていっていない可能性があります。ガーバーは経営者の相談を受けるとき、そのビジネスが時流に沿っているかどうかを最初に気にかけます。成長するには、普通のビジネス(需要が絶えないビジネス)を時流に沿ったやり方でやっているかどうかが大事になるからです。

 

•魅力的な市場を選んでいない
⇒大半のコンサルタントは「ニッチを狙いなさい」と言いますが、このニッチの意味をはき違えると、ロクなことになりません。会社の潜在的な成長力は対象としている市場に大きく左右されます。

たとえば、あなたが会社員だったとして、年収1000万円を目標としているとします。その場合、社長の年収が800万円の会社に入社してしまったら、一生目標は達成できないでしょう。その会社で社長を含め、誰も年収1000万円を達成していないからです。

一方で、平均年収が1000万円の会社に入社すれば、十分に実現可能です。これはその人本人の能力の問題というよりも、”どこで働いているか?”ということが重要なのです。これを会社に置き換えても同じで、あなたの会社は”どの市場で事業を運営しているのか?”が重要になってきます。

成長が見込めないニッチ市場で事業をしている場合、どうしても売上や利益に限界があり、社員を増やせなかったり、社員に十分な待遇を提供できなかったりします。

 

•売るのに高いスキルがいる
⇒もっと売るために、セールスやマーケティングのテクニックを学んでいる経営者も多いと思いますが、それよりも、ビジネスモデルを再設計したほうがはるかにインパクトがあります。

大半の場合、

セールスやマーケティングを学ぶ = 売るための方法を学ぶ

よりも、

ビジネスモデルを再設計する = 売りやすくする

ほうが優先順位が高いです。

 

•生産性が低い
⇒ビジネスモデルを設計する際、生産性は極めて重要な要素となります。第一に、生産性が低いと、ビジネスの拡張が期待できません。また仮に、生産性が低いまま組織が大きくなった場合、生産性が高い場合と比べて、余計なトラブルや悩み事が起きがちです。だから、最初から生産性が高いビジネスモデルを設計することが大事になります。

 

以上のような点が職人型ビジネスモデルの兆候になります。

これからも【脱】職人型ビジネスモデルというテーマをより深くご紹介していきたいと思っています。

清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。