唯一、採用する全ての人に求めるべきこと


前回のメルマガでは、

「採用活動とマーケティングは同じ」
バックナンバーはこちらから
http://blog.entre-s.com/592

という考え方をご紹介しました。

今日はその続きで、採用に関して、重要な考え方をご紹介します。

それは、

初心者の心

という考え方です。

ガーバーは次のように言っています。

”採用するポジションによって、候補者に求める能力は異なるが、唯一、採用する全ての人に求めるべきなのは、「初心者の心」である。

彼らがどんな学歴だろうと、どんな経歴、トレーニングを受けていようと、あなたの会社の“ゲーム”の中では、「初心者」になってもらうべきである。

だから、採用プロセスの中では、彼らが学ぶことにどれだけ意欲的か、興味があるかを判断しなくてはいけない。

– マイケルE.ガーバー”

私が初めてガーバーの講義に参加した時、最初に言われたのもこの「初心者の心」でした。

簡単に言えば、”まずは言われたとおりにやれ”ということです。

ガーバーはこの考え方を”禅”から学び、百科事典の販売の仕事(ガーバーが昔していた仕事)や、子供の頃、サクスホンの演奏を学んでいたときにも、その重要性を体感してきたと言っています。

ちなみにガーバーが禅を学んだのは、スティーブ・ジョブズの愛読書だったともされている、「禅マインド ビギナーズ・マインド(著者:鈴木俊隆)」からです。

この本の中で、「初心とは智慧を求める智慧である」と書いてあります。

つまり、新しく入社する人が「智慧を求める智慧」を持っているかどうかを見極めなさい、ということなのです。

特に中途で雇った人からは、”以前の会社ではこうやっていた”、”前の会社ではこれが常識だった”というような意見が出がちです。

そういった彼らの知識が役に立つときもありますが、一方で、「自社独自の仕事のやり方」を変えてしまうこともあります。

「自社独自の仕事のやり方」は知的財産でもあるので、それには注意しなくてはいけません。

 

■また、初心者の心というのは、何も、「あなたに従順な人を選びなさい」、ということでは無いことも付け加えておく必要があります。

日本には守破離という言葉がありますが、これに当てはめると、

守・・・まず自社独自のやり方を学び

破・・・改善の余地を追及し

離・・・改革を行っていく

という流れで成長していける人を選ぶということになるでしょう。

 

■また、ガーバーが教えてくれた考え方に「徒弟・匠・棟梁」というものがあります。

これはフリーメイソンの起源とされる、石工職人たちの職業組合で使われていた人材育成のステップです。

「徒弟」というのは、見習いということで、求められるのは、会社や仕事への「誠実さ」

「匠」は自立して仕事ができる段階で、求められるのは、さらに自分は成長できるという「希望」

「棟梁」は、徒弟と匠を育てることが出来る段階で、求められるのは人を育てるための「慈愛」

と言われています。

日本の「守破離」にしろ、フリーメイソンの「徒弟・匠・棟梁」にしろ、新人に求められるのは、”会社のやり方を素直に踏襲すること”だということがわかります。

このように、一貫性があり、結束力のある組織を創るためには、「初心者の心」を持った人を探していくことが極めて大事となります。

ご参考にされてみてください。

清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。