リーダーシップの神話


今回は、リーダーシップの神話というものをお話ししたいと思います。

神話というのは、「世間一般では広く信じられているけれども、実は真実ではないこと」を指しています。

ガーバーの一番有名な書籍は、「E-Myth Revisited」ですが、この直訳は「起業家の神話」となります。

どういう神話かというと、大半の起業家の実態は、一般に広く信じられているような起業家の姿ではない、ということです。

ガーバーは同じくリーダーシップについても3つの神話を挙げています。

 

一つ目の神話は、

「リーダーにはカリスマ性がある、またはカリスマ性がなくてはならない」

というものです。

リーダーというと1番最初に思い浮かべるのが、このカリスマ性だと思います。

例を挙げれば、スティーブ・ジョブズがいます。

彼のプレゼンを見ると、人を惹きつけるカリスマ性があるというのは明らかに分かるわけです。

話がうまくて饒舌ですし、人気がありますし、とても刺激的なリーダーに見えます。

人はこういうカリスマ性のある人をリーダーと認識しているわけです。

しかし一方、まったくカリスマ性がなくても偉大なリーダーというのは世の中にたくさん存在します。

その中で最も有名なのはビル・ゲイツだと思います。

ご存知の通り、ビル・ゲイツはMicrosoftの創業者で世界一の富豪になります。

彼はMicrosoftという一つの会社だけでなく、IT業界をずっとリードし続けてきた偉大なリーダーと言えるわけです。

彼はジョブズとよく比較されますが、カリスマ性はないとされています。

プレゼンも別に派手ではありませんし、見た目もそんなにかっこいいわけでもない。

ジョブズに関する書籍は世の中にたくさん出版されていますが、ビル・ゲイツに関する書籍はほとんどない。

要するにあまり人気がないということです。

しかし、彼が偉大なリーダーだということは事実なわけです。

世の中にはこういった、カリスマ性があまりなくて、表にはあまり出てこないものの、偉大な会社を作ったリーダーがたくさんいることが知られています。

つまり、人のカリスマ性とリーダーとしての能力にはほとんど関係性がないということです。

ガーバーは、このような人それぞれのリーダーシップの取り方を、「リーダーシップスタイル」と呼んでいます。

中には、ジョブズのようにカリスマ性をもって、自ら積極的に前に出ていく人もいれば、ビル・ゲイツのように静かで地味なリーダーもいます。

そのような人それぞれのスタイルが「リーダーシップスタイル」です。

リーダーシップスタイルには、「こうあるべき」とか「こうでなくてはならない」というものはありません。

リーダーシップをとろうと思って他のカリスマ性のあるリーダーの真似をする必要はないということです。

常に自分のありのままの姿でいることで、一貫性のあるリーダー、透明性があって信頼のあるリーダーになることができます。

 

二つ目の神話は、

「リーダーとは生まれながらの素質である」

というものです。

子供の頃を思い出してみていただくと、クラスの中で目立つタイプの人、例えば学級委員だったりする人がいたと思います。

そういう人たちを見ると、もともとリーダーシップをとれる人がいるとか、もともとリーダーになれる人というのは決まっていると思うかもしれません。

確かに子供の頃からリーダーシップの能力をもっている人もいるわけです。

しかしガーバーはリーダーシップのことを「学ぶことのできるスキルの集合体」と定義しています。

つまり、リーダーとしてのスキルを知り、それを訓練して身に付ければ、誰でもリーダーになれるということになります。

そしてその学ぶことのできるスキル、これをリーダーシップ・スキルとして定義しています。

ここでは詳しくはやりませんが、例えばコミュニケーション能力、ビジョンを描く能力、システム思考、意思決定力などがあります。

ともかく、リーダーシップというのは生まれつきのものではなく、誰でも学ぶことができるものだと覚えておいてください。

 

三つ目の神話は、

「リーダーシップはシステム化できない」

というものです。

ここで、個人としてのリーダーシップと、会社としてのリーダーシップ、この二つに分けて考えたいと思います。

個人としてのリーダーシップというのは、今申し上げたとおり、リーダーシップのスタイルとかスキルのことを指しています。

一方で、会社としてのリーダーシップというのは、会社自体にリーダーシップの機能をもたせるという意味になります。

会社にリーダーシップの機能があるかどうか。

この会社としてのリーダーシップの機能、これを「リーダーシップ・システム」と呼んでいます。

例えば夢とかビジョンとか価値観、こういったものを生み出すシステム、夢、ビジョン価値観などを現場に落とし込むシステム、またはさまざまな意思決定のシステム、個人個人のリーダーシップ・スキルを高めるシステム。

こういったシステムがあることによって、会社自体にリーダーシップの機能が生まれるということです。

ビジネスオーナーとしての視点で考えた時には、こういったリーダーシップのシステムを会社の中に作っていく必要があるということです。

 

まとめますと、「リーダー力」というのは、今言った三つ、リーダーシップのスタイル、スキル、システム、これらの集合体のことを指していると言えます。

「リーダー力を高める」というのは、まず自分のリーダーシップ・スタイルを知り、必要なリーダーシップ・スキルを高め、社内にリーダーシップ・システムを創ること、こういった活動をすることで、リーダー力を高めることができるということになります。

以上、これらの内容は、7つ星経営オンラインプログラムの初月コンテンツ、リーダー力:ビジョンの一部抜粋になります。

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清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。