人間力やコミュニケーション能力を高める前にやること


今回のメルマガでは、

「人の問題」を無くす第一ステップ

をご紹介したいと思います。

経営者の方と話していると、その大半は社員の話題になります。

”社員同士の人間関係が悪い、社員の能力とか性格に問題がある”

といったような話です。

おそらく、経営者同士の会合に行くと、大概、こういった話が出てくると思います。

そして、

「どこの会社も同じなんだ。やっぱりビジネスは人だよね」

という結論になり、人材教育に力を入れようとするのです。

たとえば、

・伝え方、聞き方などのコミュニケーション能力を学んだり(学ばせたり)

・人間力を高めようとしたり(させたり)

・飲み会を開いて仲良くしようとしたり(させたり)

といったようなことです。

 

■しかし、こういった解決策では、たとえ問題が解決できたとしても、一時的な成功にしかなりません。

これだけ人材教育や研修が世の中に存在するにも関わらず、いまだ大半の経営者が人の問題で悩んでいる実態を見れば、上記のような方法では根本的な原因を解決できていないことがわかるでしょう。

社内で人の問題が起こると、大半の経営者は、

「人」を直そうとします。

ここで言う人とは、社員だけではなく、社長自身も含まれています。

人を直すために、先ほど挙げたような研修を経営者自身が受けたり、社員に受けさせりします。

しかし、これは対処方法が根本的に間違っています。

 

■ガーバーは次のように言っています。

「構造や仕組みを変えない限り、同じ問題が繰り返される」

これはガーバーの理論の中でも、最も中核的なメッセージの一つです。

この言葉に基づくならば、

「人の問題」を無くす第一ステップは、

”「人の問題」を「構造や仕組みの問題」に変換する”

ことです。

今起こっている人の問題、その問題を引き起こしているのはどんな構造や仕組みか?

と問いかけることです。

人の能力や性格を追及するのはその次です。

 

■例を挙げてみます。

私が会社員で一般社員だった時、とある上司と非常にソリが合わなくなりました。

理由はわからないのですが、だんだんとその上司のことが嫌いになり、顔も合わせたくないし、話すのが嫌、という状況になってしまったのです。

そのため、私はなるべく上司を自分の仕事に絡ませないように、自分勝手にいろいろとやっていました。

上司からすると、とても扱いにくい部下だったと思います。

当時、私も上司も営業職だったので、取り立ててコミュニケーション能力が低いわけでも、人当たりが悪いわけでもなかったと思います。

しかし、上司と私の関係は完全に終わってました。

そんな状況では、良いパフォーマンスも出せるわけがありません。

しばらくすると、配置異動があり、その上司と私は隣の部署になり、上司部下の関係は無くなりました。

すると、不思議なことに、その上司のことが全く気にならなくなったのです。

あんなにも嫌いだった人が、単なる気の良いおじさん、としか思えなくなってきたのです。

さらに、私が会社を辞めてからは、むしろ、もう一回連絡を取って昔話でもしに行こうかな、と思えるようになったのです。

要するに、当時こじれまくっていた人間関係が、今ではキレイに無くなってしまったのです。

 

■これは別に、私や上司が人格的に向上したから、という理由ではありません。わずか1年間程度の出来事ですので。

では、どこに理由があったかというと、「組織の構造」だったのです。

当時はガーバーのことなど知らなかったので、全く気が付きませんでしたが、

いま考えると、ソリが合わなかったときの上司と私との関係性は、ガーバーが「やってはいけない」と言っている組織構造になっていたのです。

実際、先ほど言った通り、配置異動があり、そのやってはいけない組織構造が崩れると、相手のことをなんとも思わなくなりました。

つまり、上司が悪い、私が悪い、ということの前に(当時は上司が100%悪いと思ってましたが)、構造の問題だったということです。

これが「人が問題なのではなく、構造が問題」ということの一例です。

 

■もうひとつ例を挙げてみます。

覚えている方もいるかも知れませんが、2015年に、司法試験の解答が漏洩してしまうという事件が起こりました。

これは、司法試験の問題を作る立場の教授が、自分の教え子に問題と解答を教えてしまったために起こった事件です。

その教え子は試験の出来があまりにも良くて、事件が発覚したのです。

解答を教えてしまった教授は、告発され、当然ながら試験を作る立場からは外されてしまいました。

当時の報道は、そんな奴を教授にしてはいけない、という風潮でしたが、この事件の根っこはそこではないのです。

これも「人が問題なのではなく、構造が問題」という原則に立ち戻ると違う側面が見えてきます。

つまり、その教授がどういう人物か?という前に、

「司法試験の制作者が、受験生を教える立場でもある」

という構造に根本的な問題があるのです。

事実、実は2007年に全く同じ事件が起きています。

その時に構造を変えなかったので、また同じ事件が起こったのです。

ガーバーが言っている通り、

「構造や仕組みを変えない限り、同じ問題が繰り返される」

ので、恐らく司法試験の問題にしても、構造自体を変えないと、これからも同じ問題が起こるはずです。

不正を犯さないような人を教授にすべきだ、という意見もあろうかと思いますが、そんな聖人君子は滅多にいません。

これもガーバーが言っている通り、世の中の大半の人は、欲も狡さも持つ「普通の人」なのです。

 

■長くなったのでまとめてみますと、

人の問題が起こっている場合には、まず、その問題を構造や仕組みの問題に転換することが必要です。

正しい構造や仕組みを揃えたうえで、

採用する人が間違っていないか?どういう能力を高めてもらう必要があるのか?

など、人に関する話に進むことです。

コミュニケーション能力や人間力向上が不必要なわけではありませんが、それらは正しい構造と仕組みがあるからこそ生きてきます。

構造や仕組みが壊れていては、どんなに良い人でも、どんな人格者であっても、良いパフォーマンスを出すことはできないでしょう。

今回の「組織の仕組み構築講座」では、いま述べたことを前提として、正しい組織の構造や仕組みを創っていきます。

そして、二度と「人に関する問題」で右往左往しないようにしていきます。

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清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。