経営者が会社に与えている悪影響(1/3)


ガーバーが書籍でも書いている通り、ビジネスはビジネスオーナーの反映です。

これはつまり、あなたの“やり方”が社員にとっての“正しいやり方“になるということです。

それが良い方向に働くときもあれば、良くない方向に働くこともあります。

特にスモールビジネスの場合、社内で起こるトラブルの元は、実は経営者自身にあることが多いのです。

たとえば、あなたが秩序立って仕事や生活することが難しければ、会社も同じように無秩序になります。

ガーバーは何万社という企業と付き合ってきた中で、こういった、

”経営者によって引き起こされるビジネスの機能不全”
(DBO:Dysfunctional Behavior in Organization)

を【9つの課題】に集約させました。

自分が9つのうちのどれに当てはまるのかを知り、それによって、ビジネスにどのような影響が出ているのかを知る。

それによってはじめて、課題にどう対処すべきかを知ることが出来ます。

この9つの課題は、コーチングプログラム(http://7-coach.com/coaching)でご提供しているのですが、今回のメルマガでは、

”自分にはどんな傾向があり、それによってビジネスにどんな影響が出ているのか?”

を簡易的に診断できるようにご紹介をさせていただきます。

その1.

・新しいアイデアの興奮が冷めたあとやルーチンワークはすぐに飽きてしまう。
・私は考えがコロコロ変わるとときどき指摘される。
・人の管理はあまり好きではなく、社員が多くのサポートを必要としなければいいのにと思う。

以上のことに心当たりがある方は、

【不十分な責任】

に当てはまります。

【不十分な責任】に当てはまる経営者が率いるビジネスには、一見、絶え間なく新しいアイデアが浮かんできたり、エキサイティングに見えるプロジェクトが存在します。

そのため、快活に見えたり、機能しているように見えます。

しかし、実際には、始めたことが終わらずに放っておかれることが多いのです。

もうひとつの症状は、パートナーや店長などの鍵となる人材に発生します。

彼らは“すべてをまとめる役割”になり、ほかの人たちは、物事に責任を負わなくなります。

みっつめの症状は、仕事の責任がダブっていたり、不明瞭になることです。

この場合、みんな責任を持ち、互いに助けあっているように見えます(家族経営にはありがちである)が、実は結果に最終責任を持つ人物が不在だったりします。

その2.

・目標設定は苦手で、たいてい避けてしまう。
・人は得意なことをしてさえいれば、ビジネスは成長すると思う。
・競争にはあまり気を留めない。

以上のことに心当たりがある方は、

【近視眼的】

に当てはまります。

【近視眼的】に当てはまる経営者が率いるビジネスには、ビジョンや期待の欠如、目的、インスピレーションの欠如、起業家的な魂や個人的なかかわりが欠けている傾向があります。

ハードワークするほど人は、この課題に陥りがちです。

ビジョンが欠如していることは、失敗することから自分を守るためであり、もし期待値を下回れば落ち込んでしまう、という仮説が原因となっています。

失敗から生まれる負の感情に立ち向かうよりも、常に停滞しているほうが心地よいと信じています。

近視眼的ビジネスは、想像するよりも一般的に存在しています。

多くのビジネスオーナーは、数年で容易に達成できる中途半端なビジョンを持ってスタートし、それを変えようとしません。

これはまた、親からビジネスを引き継いだ二代目にもありがちな課題です。

その3.

・忙しくしているのが好きで,何もしていないと落ち着かない。
・あらゆる結果をシミュレーションする前に判断を下すのは困難だ。
・ほかの人を信じて責任を任せるのが難しい。

以上のことに心当たりがある方は、

【恐怖】

に当てはまります。

【恐怖】に当てはまる経営者が率いるビジネスには、近くに迫っている最悪のシナリオばかり心配して、先延ばしと停滞のため、ビジネスは受け身にならざるを得ない傾向にあります。

恐れから逃げて、躊躇し、ぐずぐずすることで、かえって一番恐れていることを作り出しています。

その結果、成長するために進んで不安のなかに入って行くことが極めて困難になります。

この課題を持つ人たちは何よりもまず、恐怖は避けるものではなく、何か行う理由なのだということを学ぶ必要があります。

以上、9つの課題のうち、3つをご紹介しましたが、どれかに当てはまりましたでしょうか。

これらの課題は、経営者の弱み、ということになりますが、弱みと強みは表裏一体です。

たとえば、【不十分な責任】に当てはまる人というのは、裏を返せば、創造的な経営者であることを意味します。

ガーバーは次のように言っています。

”弱みとは強みがねじれて表面化されたものであり、そのねじれを取り除くことによって、あなたの中の光がより強く輝くのである。”

ねじれが何かを知り、自己認識を深めることで、ご自身がビジネスに与えている悪い影響を、良い影響へと変化させることが出来るのです。

次回は、残りの課題をご紹介していきます。

清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。