経営者が会社に与えている悪影響(2/3)


前回の続きで、

”経営者によって引き起こされるビジネスの機能不全”
(DBO:Dysfunctional Behavior in Organization)

の9つの課題のうち、残りをご紹介していきます。

※前回の内容を見逃した方はこちらから:
http://blog.entre-s.com/653

DBOとは、経営者が知らず知らずのうちに、会社に与えてしまっている悪影響のことを指しています。

前回は3つ目までご紹介しましたので、今日は4~6つ目をご紹介します。

 

その4.

・一度に複数の本を読むことが多い。
・新しいチャンスに「ノー」というのは難しい。機会を逃してしまうのではないかと思う。
・プロジェクトが多すぎて、いろいろときちんとしておくのが難しい。

以上のことに心当たりがある方は、

【注意散漫】

に当てはまります。

注意散漫に陥っているビジネスは、衝動的であり、多すぎるアイデアが存在し、焦点の欠如が起こり、やり抜けないことが多数あるために混乱が存在しがちです。

この課題を持っている人たちは、極めて創造性に富み自発的であることが多く、だからこそ長期にわたってじっと留まって集中することが耐えられない傾向にあります。

注意散漫は「不十分な責任」と同じ影響をもたらしますが、違うのは、注意散漫の主要な原因が「輝かしく、新しいもの」に引きつけられることだという点です。こうした人たちは、内なるマネージャー的人格の支援が必要になります。

 

その5.

・社員がうまく仕事を進められていないとき、それを取り上げ自分でやってしまうことが時々ある。
・社員がもっと責任感を示せば、もっと意思決定の権限を与えられると思う。
・社員は細部への気配りが不十分だと思う。

以上のことに心当たりがある方は、

【マイクロマネジメント】

に当てはまります。

マイクロマネジメントは、完ぺき主義であり、コントロール過多であり、社員を締め付けたり、支配したりする傾向があります。

細かな管理を好むリーダーは、期待はずれな結果を目の当たりにしたときに、社員のためを思って前向きなアドバイスをするよりも、ついつい反射的に細かな口出しをしてしまいます。

こういうことを長く続けていると、部下たちはだんだん、自分からやろうとしない態度を身に付けていきます。「ボスが自分でやるに違いない」と思うからです。こうしたリーダーシップを持つ経営者の下の管理職たちは、自分たちは結局正しいことができないと感じてしまい、一種のサバイバル・モードに引きこもってしまって、成果を上げるよりも上司の顔色を伺ってばかりになってしまいます。

人は間違いから学ぶ、と言うのは本当のことであり、多くの場合、失敗しても正しくやり直せば済みます。それを管理の細かすぎる上司が過剰に反応するため、事態が難しくなります。

 

その6.

・本来自ら下さなければいけない意思決定について、社員は私に助けを求めてくる。
・私は人のためにいろいろしているが、人はそれを感謝してくれないということにときどきストレスを感じる。
・一生懸命働き過ぎて、ときどき自分の身体を大事にしなくなる。

以上のことに心当たりがある方は、

【過剰な責任感】

に当てはまります。

過剰な責任感がある人は、世話焼きであり、過度の責任意識があり、権限委譲が欠如する兆しがあります。この種の経営者や上司は、何かに追われるように仕事をし、自分は人から必要とされている人間だという感覚に際限なく固執します。

あらゆる質問にすいすいと答えられ、自分だけがそれを知っていて、飛んでいって人の手伝いをすることに、プライドを持っています。

過剰な責任感を持つ人々の中には、次第に自己崩壊していく人がいます。私はこれだけ人のためにしてやっているのに、何で報われないんだ、と。

彼らのビジネスでは、困ったことに、経営者と顧客との近しく心を砕いた関係がビジネスの基礎にあるので、その力が返ってビジネスの成長を妨げることになることがあります。

過剰な責任感を持ったリーダーたちが良く陥る症状には、部下や顧客との境界線が曖昧とか、キャッシュフローに苦労するとか、売価を決められないとか、時間管理ができないとか、ストレスに弱いなどがあります。

以上、9つの課題のうち、4つ目から6つ目をご紹介しましたが、どれかに当てはまりましたでしょうか。

前回もお伝えしましたが、これら経営者としての弱みは、強みと表裏一体です。

”弱みとは強みがねじれて表面化されたものであり、そのねじれを取り除くことによって、あなたの中の光がより強く輝くのである。 – マイケルE.ガーバー”

ということなので、ねじれが何かを知り、自己認識を深めることで、ご自身がビジネスに与えている悪い影響を、良い影響へと変化させることが出来るのです。

清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。