自分自身を置き換える仕組み


2017年も最初の四半期が過ぎようとしている。ここですべてのビジネスオーナーが望むであろうテーマを扱いたい。それは、”自分自身を置き換える”ということだ。

多くのスモールビジネスオーナーは、管理職やチームリーダー、または信頼できる社員に依存することで、それを実現させようとする。

しかし、結果はいつも破滅的だ。ほぼすべての場合において、そのような役割を任された人は、創業者の情熱を現実主義なものへと変えてしまう。その結果は、予想できるものである。

アポイントをミスしたり、配達が遅れたり、、、負の連鎖が続き、良くて平凡、悪ければ倒産へと向かう。

自分自身を置き換えるということは、自分を(その相手がどんなに情熱を持っていたとしても)誰かほかの人に置き換えるということではない。それは放棄というものであり、委任とは言えない。

さらに、そのようなことが出来る人材は、労働市場において極めて稀である。見つけたとしても非常に高くつくものだ。

スモールビジネスオーナーとしては、自分自身を置き換えるシステムを構築したほうが、長期的には安くつく。

ビジネスの一連のシステムを構築するということは、つまり、生産性を向上させながら、仕事をやり遂げるための道具を作るということだ。

それらのシステムによって、あなたの判断や労力が不要になる。これは何度も言っているが、あなたの仕事は、ビジネスのあらゆる側面の仕事をこなすことではなく、システムを作ることなのだ。

人々は予測可能性を求めている。だから、あなたがシステムを作る際には、人に予測可能性を与えなくてはいけない。

予測可能性とはどういうことか、例を挙げてみよう。

あなたの車が壊れて、直さなくてはいけないとする。あなたは車を修理してくれる店に行く。店から制服を来た若いスタッフが出てきて、あなたに話しかけると、コンピューター端末に情報を入れる。そして、あなたの車に必要な他のメンテナンスを教えてくれる。

彼は預かり書を印刷するとあなたに渡し、24時間以内に電話をすると告げる。そして、家に戻るために足が必要かどうかを確認するのだ。

翌朝、あなたは車の修理が完了したというメールと電話を受ける。そして、車を家まで届けてほしいか、自分で取りに来るかと聞かれることになる。

これらすべての体験は、顧客サービスに対する努力によるものだと思うかも知れないが、そうではない。

これらの素晴らしい体験ができるのは、「素晴らしい顧客サービスを確実にするためのシステム」が存在するお陰なのだ。

1年後、あなたが同じ店に行けば、まったく同じような体験が可能である。それが予測可能性というものだ。

あなたの情報を聞くことやドレスコード、顧客の車にどんなメンテナンスが必要か、世の中にどんなメンテナンスサービスがあるか、24時間以内に作業を完了させること、車を預けに来た顧客を送り届けること、これらすべてがシステムである。

このよな優れたシステムがあることによって、そのシステムから貴重なデータも得ることが出来る。それらの数値はシステムを改善するために必須のものであり、ビジネスの機会を発見できる。

顧客がどのくらいの頻度で来店するのか、どのような修理が多いのか、商圏はどれくらいか、顧客の在宅時間は何時頃か?

これら数値が次のシステム改善や変化の機会を与えてくれる。

あなた自身を置き換えるということは、あなたの情熱をシステムに吹き込むということだ。

そして、スタッフはそのシステムを実行できるようにトレーニングする。彼らはシステムがあることによって、システムが無い場合よりも効果的に働き、結果を生み出すことが出来るだろう。

マイケルE. ガーバー

マイケルE. ガーバー

米EMyth創業者、Michael E.Gerber Companies会長。世界No.1のスモールビジネスの権威(米INC誌による)。1977年に世界初のビジネスコーチング会社、マイケル・トーマス・コーポレーションを設立。その後、約40年間にわたって、7万社の中小・スモールビジネスをクライアントに抱える会社に成長させた。「E-Myth革命」や「会社をE-Myth化する」などの言葉が生まれるほど、世界中のスモールビジネスに変革をもたらしてきた。1985年には、初の書籍、「E-Myth(邦題:はじめの一歩を踏み出そう)」を出版。「起業家の視点(職人、マネージャー、起業家という3つの人格)」、「ビジネスのシステム化」、「フランチャイズプロトタイプ」、「ビジネス開発プロセス」などの新しい概念を提唱し、現在につながる、スモールビジネス経営の新しいスタンダードを創った。同書は、16カ国語に翻訳され、700万部以上のベストセラーとなっている。