意図的に設計された仕組み VS そうでない仕組み


システム作り、仕組み作りは、言い換えると、「社内における良い習慣作り」とも言えます。

習慣というのは、無意識のうちに行っていることなので、良い仕組みがあるということは、無意識のうちに、より良い仕事ができるようになるということです。

難しいのは、悪い習慣(仕組み)は放っておいても勝手に出来ますが、良い習慣(仕組み)は、意図的に創らないと出来ないという点です。

マイケルE.ガーバーは、そのことについて、次のように語っています。

”人は習慣の生き物である。

普段、何も気にかけずにやっていることが習慣になり、それが意図されていないシステムになってしまうこともある。

今現在、あなたのビジネスの中にはおそらく沢山の意図的でなく、勝手に生み出されてしまったシステムがあり、それによって、毎日結果が生み出されている。

それがどれほど役立っているだろうか?

大半の場合、意図されずに生み出されたシステムは、人々の自由裁量から生まれたシステムであり、あなたが意図していない結果を生み出してしまうのである。

だからあなたは、会社のリーダーとして、生み出されるべき結果を定義し、積極的にシステムを作り上げていかなければならない。”

この内容に心当たりのある方も多いかも知れません。

では、どのようにして、意図的に良い仕組みを創っていくのか?

それには、過去40年間、7万社での実績に裏打ちされたステップがあります。

言い換えると、良い仕組みを創るための仕組みがあります。

■仕組み化のステップ

ごく簡単に言うと、次のようなステップです。

1.何を成し遂げたいのか?を決める

仕組みは、何か目的を達成するために作られるものです。

業務を効率化させたいのか?
業績を向上させたいのか?
社内の情報共有を促進させたいのか?
人を育てたいのか?

このように、まず何を成し遂げたいのかを決めます。

それぞれの仕組みにはそれぞれの目的がありますが、全ては一貫してビジョンに向かっている必要があります。

したがって、仕組み化の前提として、自社のビジョンが存在することが求められます。

2.仕組みをリストする

目的を達成するために必要な仕組みをリストします。

3.優先順位付けする

次に優先順位を付けます。

これにはいくつか方法があります。

簡単なのは、「仕組みを創るのにかかる労力」と「その仕組みが与える影響度」というマトリックスで考え、労力が少なく、影響度が大きいものから取り掛かるという方法です。

4.仕組み作りに取り掛かる

実際の仕組み作りをしていくために、文書化をしていきます。

文書化のフォーマットもいくつかのパターンがあります。

我々はそれを「システムツール」と呼んでいます。

いわゆる手順書と呼ばれる行動のステップを説明したものもそうですし、チェックリストやフローチャートもそのひとつです。

以上の4つのステップで、仕組みの文書化までが完成します。

実際には、その次に、社内への導入と継続的改善を行うためのステップも必要になります

これらを行うことで、社内の仕組みが、「自社独自の排他的知的財産」となります。

成長し、成功し続けている会社には、例外無くそれがあります。

つまり、正しく仕組みづくりを行えば、単に経営者の時間が自由になるだけではなく、会社の競争力へと繋がっていくということです。

既に仕組み化に取り組んでいらっしゃる方も多いと思いますが、上記にご紹介した4つのステップ、そして、いま存在する仕組みが会社の競争力につながるようなものになっているかどうか、ぜひ見直してみてください。

清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。