スモールビジネスは学校


私たちのクライアント、スモールビジネスオーナーの最大のフラストレーションのひとつは、

私の書籍に書いてあるように、システムを作って、会社の外側から働くようにした場合、

・どうやって自社の社員に、自分と同じくらいの高い意識を持って、責任感を持って働いてもらえるか?
・どうやってセールス、マーケティング、運営、財務、生産などの領域で、学ぶ必要のあることを学んでもらうことができるか?

ということです。

社員に今以上のことをやってもらうにはどうすればよいか?

答えは、それは不可能だということです。

あなたにそんな力はありません。

人を動かすことで生み出す結果を管理できる、というのは全く間違った思い込みです。

あなたが社員に何かをやるように期待し、両者の間に緊張関係が生まれた瞬間、彼らからの抵抗を生むことになります。

何かを言われたり、束縛されたり、責任を取りたいと思う人はいないからです。

彼らに何かをしようとするのではなく、あなたの内面で何かを変える必要があります。

あなたが鼓舞されていない限り、人々を鼓舞するコミュニケーションはできません。

人々を鼓舞するようなビジネスのストーリー、人々があなたと一緒に、現状を超えてそこに辿り着きたいと思えるストーリーが何かを理解していない限り、いつも同じことが起こります。

彼らのモチベーションを上げるのではなく、彼らの内面から動機付けがなされない限り、いつも同じことが起こります。

自分がやってほしいことを社員にやってもらいたい、という不可能な課題にいつも悩まされるでしょう。

彼らがこれまでに体験したことのないようなインスピレーションを受け、あなたと働きたいと思えるようにしなくてはならないのです。

私たちのウェブサイト、またはEメールの署名には、

”すべてのスモールビジネスは学校である”

と書かれています。

これが意味することは、スモールビジネスは、そこで働いている人にとっての学びの場であるということです。

あなたが雇った社員、契約している人、アウトソーシング先の人、その会社が出すべき結果を生み出すために働いている全ての人たちは、生徒になるのです。

その会社で働いている全ての人が生徒なのです。

彼らに”生徒になりなさい”と言うべきだ、という意味ではありません。

彼らは自ら学ぶ必要性に気がつくのです。

そこで次なる質問は、彼らに何を教えるかです。

あなたの会社を学校と考えたとき、社員は入社することで、その学校に入学する特権を得ることになります。入学料が無料の学校です。

あなたは彼らにギフトを提供しているのです。

成長というギフト、学びというギフト、なりたい自分になるというギフト、彼らは今以上の自分を目指し続けることになります。

あなたは成長にコミットし、自分自身にコミットしている社員と、継続的なかかわりを創ることができるようになります。

では、あなたは何を教えるのか?

それが5つのエッセンシャルスキルです。

これはすべての人が訓練すれば学ぶことのできるものです。

一つ目が集中力です。これがもっとも大切です。

二つ目は判別力です。

社員が集中力がもっとも大切であることを理解したら、いまに集中し、邪魔されない、集中する力を手に入れたら、次はその集中力をどこに注ぐかを見極める必要があります。

それが判別力です。何が大切で、何が大切でないのかを見極める力です。

三つ目は組織化・秩序化です。

あるべき場所にあるべきものをおいていくことです。

優れた会社は、これがとてもうまく機能しています。

ディズニーランドにいってみればわかるでしょう。

すべてのものが素晴らしく整っています。

これは創業者であるウォルト・ディズニーが、集中力、判別力、組織化・秩序化をよく理解していたからです。

四つ目のスキルはイノベーションです。

あなたの会社にやってくる人が、これまで述べた集中力、判別力、組織化・秩序化、そしてイノベーションの能力を身につけたと想像してみてください。

彼らは、仕事をするための、より優れた方法を探し続けます。

常にいまより良い方法があります。

最高の方法は神のみぞ知るところですが、いまより優れた方法にすることは出来ます。

最高の方法を探究し続けることが出来るのです。

それがあなたの会社で行われると想像してみてください。

五つ目のスキルはコミュニケーションです。

集中力、判別力、組織化・秩序化、イノベーション。

いまに集中する力、何が大切で何が大切でないかを知る力、混乱が起こらないように秩序を保つ力、会社を極度に差別化し、成長させるために、方法やプロセス、システムを改善し続ける力を手に入れたら、それらを表現するためにコミュニケーション力が必要になります。

これらのことが全てのスモールビジネス、すなわち学校で行われなければいけません。

それを社員に教えることを想像してみてください。

毎日実践します。

それらが為されたとき、どんな違いが生まれるか想像してください。

これら5つが自立した心を作るために必要なスキルです。

それがあなたの会社の社員に違いをもたらすでしょう。

それがあなたに違いをもたらすでしょう。

マイケルE. ガーバー

マイケルE. ガーバー

米EMyth創業者、Michael E.Gerber Companies会長。世界No.1のスモールビジネスの権威(米INC誌による)。1977年に世界初のビジネスコーチング会社、マイケル・トーマス・コーポレーションを設立。その後、約40年間にわたって、7万社の中小・スモールビジネスをクライアントに抱える会社に成長させた。「E-Myth革命」や「会社をE-Myth化する」などの言葉が生まれるほど、世界中のスモールビジネスに変革をもたらしてきた。1985年には、初の書籍、「E-Myth(邦題:はじめの一歩を踏み出そう)」を出版。「起業家の視点(職人、マネージャー、起業家という3つの人格)」、「ビジネスのシステム化」、「フランチャイズプロトタイプ」、「ビジネス開発プロセス」などの新しい概念を提唱し、現在につながる、スモールビジネス経営の新しいスタンダードを創った。同書は、16カ国語に翻訳され、700万部以上のベストセラーとなっている。