短期間で年商2倍(100億から200億)になった理由


つい先日、米国のフォーブス誌(日本版も有)に起業家ブライアン・スカッドモア氏(47歳)の記事が掲載されました。

ブライアン氏は起業当初にマイケルE.ガーバーの「はじめの一歩を踏み出そう」を読み、ゴミ収集会社を年商100億円にまで成長させました。

その後、引っ越しビジネスなど、住宅関連ビジネスへと横展開し、わずかな期間で年商200億円に到達しています。

あっという間に年商が2倍になったのは、最初に始めたゴミ収集会社をガーバーの言うとおりにシステム化し、パッケージ化したからです。

横展開したビジネスでもそのパッケージを同じように適用したため、試行錯誤の時間を大幅に削減し、同じように結果を出し、同じように業績をアップさせたのです。

そんな彼が、記事の中で、最も影響を受けたアドバイス5つのうちのひとつとして、ガーバーの言葉を挙げています。

「人が失敗するのではなく、システムが失敗をする」
(「システム」は「仕組み」とほぼ同義として使ってます)

”「はじめの一歩を踏み出そう」は、私が読んだ中で最も影響力のあった本である。その中で、起業家であるマイケルE.ガーバーは、正しいシステムがあればだれでも成功できることを書いている。私たちのようなフランチャイズ展開をしている会社の場合、それは欠かせないことだ。複製可能で実証されているシステム開発こそが成功への唯一の道だ。コミュニケーションの問題や手順のミス、業界の変化に対応するためのプロセスの変更など、何か間違いが起こったらシステムに立ち戻ることが出来る。”

というものです。

このメッセージは、まさに私たちがお伝えしている仕組み化における最も重要なメッセージといえるかも知れません。

問題を人のせいにしている限り、決して仕組み化は実現できません。

何か問題が起こったらシステムに立ち戻るという発想が非常に大事です。

 

■この話とも関連しますが、いま、各地で「はじめの一歩を踏み出そう」の読書会を開催しています。これは著者であるマイケルE.ガーバー氏公認の活動になります。

読書会にご興味ある方はこちらから:
http://entre-s.com/reading_group

 

それに伴い、今後、何回かのメルマガで「はじめの一歩を踏み出そう」の内容について補足説明を加えながらご紹介してきたいと思います。

既に何度も読まれている方、まだ読まれていない方、双方の方にとってお役に立てる内容にしていきたいと思ってますので、ぜひお付き合い願えればと思います。

 

■「はじめの一歩を踏み出そう」の前身

「はじめの一歩を踏み出そう」は、原題が「E-Myth Revisited」となっており、直訳すると、「E-Mythの再訪」と言うことになります。

E-Mythというのは、Entrepreneur Myth(起業家の神話)の略であり、

”世の中のほとんどの起業家の実態は、メディアに出てくるような華々しい起業家とはかけ離れている”

ということを意味しています。

世の中のほとんどの起業家は、本当の意味での起業家とは言えず、職人型の経営者によって運営されるビジネス(というよりも仕事)であり、小さいままで留まっているというわけです。

E-Mythというのは、このような思想でもあり、ガーバーが創業した会社の社名でもあり、そして、ガーバーが最初に書いた「The E-Myth(邦題:成功する「自分会社」のつくり方)」(絶版)のタイトルでもあります。

ちなみに米国ではE-Mythという言葉がかなり有名であり、ガーバーの思想に沿って運営され、成功しているビジネスは、E-Mythed Business(E-Myth化されたビジネス)とも呼ばれています。

その「The E-Myth」を書き直して完成したのが、「E-Myth Revisited(はじめの一歩を踏み出そう)」というわけです。

基本的な思想は、前作と変更ありませんが、ストーリー仕立てになっていて読みやすいなどの理由から、前作をはるかに超えるベストセラー、ロングセラーになっています。

 

■今日は、書籍の内容に入っていく前に、たまに本を読まれた方からいただくご意見というか、疑問にお答えしておきたいと思います。

それは、

「良い内容だとは思いますが、発想はアメリカ的ですよね。日本では会社を売ることを前提にしている経営者なんてほとんどいませんし」

というご意見です。

まず、あの本には、会社を売れるようにしなくてはいけない、とは書いてありますが、会社を売れ、とは書いていません。

事実、

米国のCRMソフトウェア会社Infusionsoft社の創業メンバーは、ガーバーの講座に参加した際、会社を成長させて20億円くらいで売却する予定でした。

しかし、講座中に、そんな目標は意味がない、ということに気が付き、ワールドクラスの会社を創ることに目標を設定し直して急速に成長し、現在では年商100億円のビジネスになっています。

要するに、会社を売れ、ということではなく、あなたの会社をぜひ買わせてほしい、というような価値あるビジネスを創ることが大切なのです。

 

■また、日本では会社を売ることを前提にしている経営者なんてほとんどいない、と言うことに関しても最近では情勢が変わってきています。

いま多くの中小企業で後継者問題や事業承継の問題が生じていますが、それもすべて、日本の経営者が、会社を売れるように(経営者が変わっても経営できるように)作ってこなかったことが要因になっています。

それに伴って、いま、M&Aの市場は日本でも真っ盛りです。

東証一部上場企業の中で最も平均年収が高い会社は、M&Aの仲介会社です。平均年収が2000万円を超えています。もちろん、テレビ局や大手広告代理店を凌いでいます。

それだけ会社の売買が日本でも一般的になってきたということだと思います。

実はその会社の創業メンバーの一人は、私の大学時代からの友人で、創業当時、少しだけ一緒に部屋を借りていたことがあります。

彼がそのビジネスを始めた10年くらい前、M&Aと言う言葉はいまほど市民権がなく、私も”なんか怪しいこと始めたな。。。”と思いながら見ていたのです。

それが会社を売買する市場が盛り上がると同時に、一気に成長して上場してしまいました。

 

■また、仕組み化、マニュアル化についても同じようなことが言えます。

なぜアメリカでシステム化(仕組み化)をテーマにした、ガーバーの書籍が大ヒットしたのか?

仕組み化やマニュアル化をすれば効率化が出来、業績に直結する、ということもありますが、

アメリカのような多民族国家では、多種多様な価値観や思想を持った人が社員になり、顧客になるために、会社を運営するには統一されたルール作りや手順、基準が必要だったのです。

一方の日本は、島国と言うこともあって、似たような価値観、思想を持った人たちしか社員や顧客になりませんでした。

だからマニュアル化しなくても、阿吽の呼吸で仕事が出来たのです。

しかし、これも最近は状況が変わってきています。

外国からの社員を受け入れている会社も増えてますし、海外に出ていく会社も増えています。世代間の考え方のギャップも広がっているようです。

そんな状況に対処するには、仕組み化、マニュアル化していくしかありません。

要するに、「はじめの一歩を踏み出そう」の内容はアメリカ的というよりも、アメリカで日本よりも先に起こっていた状況に対応するものなのです。

というわけで、2003年に発刊(前作は1985年)された「はじめの一歩を踏み出そう」は、いま日本の会社が直面する課題に対応する内容として、いまだ多くの経営者の方にご支持をいただいています。

次回からは私なりの解説を加えながら書籍の内容をご紹介してきたいと思います。

ぜひ楽しみにしていてください。

 

読書会も開催しておりますので興味ある方はこちらから:
http://entre-s.com/reading_group

清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。