仕組み化のバイブル「はじめの一歩を踏み出そう」を読み解く その1「まえがき」と「はじめに」


前回お約束した通り、今日から、マイケルE.ガーバー著「はじめの一歩を踏み出そう(http://amzn.to/1b3OHPG)」の中から、私が特に大事だと思える点をピックアップし、ご紹介していきたいと思います。

本書には、本題に入る前に「まえがき」と「はじめに」というパートがあり、ここで既に重要なことが書かれています。

そこで今日は、「まえがき」と「はじめに」から何点か、重要な点をピックアップさせていただきます。

 

本書は一流企業をつくるという、終わりのない旅のガイドブックでもある。この旅では、ゴール地点もすぐにスタート地点へと変わってしまう。

本書はスモールビジネス経営者を対象にしていますが、会社を仕組み化して、時間的にも経済的にもそこそこゆとりが出来れば良い、というレベルを目指すためのものではありません。

ここに書いてあるとおり、一流企業(ワールドクラス)を目指すためのものです。

実際のところ、経営者に高みを目指すというビジョンがなければ、本当の意味での仕組み化は難しいのです。

あらゆる仕組みには、”〇〇を達成するための仕組み”というように目的が必要であり、その最終的な目的がビジョンです。

つまり、仕組みはすべて、最終的にビジョンの達成へと繋がっている必要があります。

そして、その仕組みを作るためには、社員の方にも協力をしてもらう必要があり、彼らに仕組み化の必要性を伝えるためにも、壮大なビジョンが必要なのです。

とはいえ、創業していきなり壮大なビジョンを持てる起業家も稀です。

そこで、”この旅では、ゴール地点もすぐにスタート地点へと変わってしまう。”という言葉が出てきます。

これは文字通り、会社を成長させたものの、あっという間に倒産の危機になってしまう、という意味合いもあると思います。

一方で、かつてはゴール地点だと思っていた場所が、実はスタート地点に過ぎなかったことに気が付く、という意味もあります。

実際、マイケルE.ガーバーは、創業して過去30年近く経営してきた会社を引退した時、そこがまだゴールではなかったことに気が付き、68歳の時に新しいビジネスをスタートさせています。

創業した会社が、一般的に見れば大成功したにもかかわらず、です。

ガーバーはかつて次のように言っていました。

”多くのビジネスオーナーは、山頂にたどり着いたとき、はじめてそこが本当の山頂ではなかったことに気が付く”

後から振り返ったときに小さく思えたとしても、まずはビジョンが必要であり、自身や会社の成長によって、ビジョンが大きくなっていくことは良くあることなのです。

 

彼らが成功した理由は、何かを知っていたからではない。現状に満足することなく、もっと知ろうと続けたからである。(中略)経営者がマネジメントや会計、マーケティング、現場の実務を知らないからと言って、経営に失敗することはない。

職人型の経営者は、自分が知っていること、やれば出来ることを軸にしてビジネスを創ります。

だからこそ、もっと”仕事のやり方”を知ろうとし、それがビジネスの成長につながると信じています。

しかし、起業家が学ぶ必要があるのは、”ビジネスのつくり方”です。”仕事のやり方”と”ビジネスのつくり方”の間には、だいぶ差があります。

「はじめの一歩を踏み出そう」は、”仕事のやり方”ではなく、”ビジネスのつくり方”が書いてある本です。

 

高みを目指す経営者とは、きわめて現実的な性格の持ち主であり、日常生活にありふれた細やかなことにまでこだわりを持っていた。

あとから書籍の中にも出てきますが、IBMの初代社長トム・ワトソン氏は、IBMが成功した理由として、最初から一流企業のように厳しい基準を持って経営したことである、という言葉を残しています。

有名な話ですが、IBMは、まだスモールビジネスの頃から、IBM:International Business Machine(国際的なコンピューターを売る会社)と名乗っていました。

そのような自己認識が厳しい基準に繋がり、現実にIBMは一流企業になりました。

ちょうど前回のクラブGが「顧客の期待を超える仕組み」というテーマだったのですが、顧客と出会ってからすべての体験を一貫して整えていくことが必要となります。

 

事業は経営者の人柄を映す鏡である。

マイケルE.ガーバーは、

”ビジネスを変えたいと思っているビジネスオーナーは多いが、自分が変わろうと思っている人はそれほど多くない。”

と言っています。

しかし、事業は経営者の人柄を映す鏡である、との言葉通り、ビジネスを変えようと思ったら自分の働き方や考えを変えなくてはなりません。

基本的に、”社内が今のような状態になっているのは、全て自分がそのような生き方、働き方をしているから”という認識を持つ必要があります。

ザッポスなど、いわゆる”今風”の企業文化を持っている会社は、経営者が自分の価値観を明確にし、それを社内のあらゆる側面で表現することで成功している会社を創っています。

もし、いまの状況が好ましくないのであれば、そのような状況を生み出しているのは、自分のどのような価値観や信念が基になっているのか?を見ていくことが大切になります。

 

次回は、本書の核となる「起業家の視点」のパートに進んでいきます。
ぜひ楽しみにしていてください。

 

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清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。