仕組み化のバイブル「はじめの一歩を踏み出そう」を読み解く その5「事業のパッケージ化」


前回から引き続いて、 仕組み化のバイブル「はじめの一歩を踏み出そう(http://amzn.to/1b3OHPG)」を読み解いていきます。

バックナンバーはメールの後半に掲載していますので、見逃した方、最近ご登録いただいた方はそちらからご覧ください。

本日は、「事業のパッケージ化」に入ります。

事業のパッケージ化は本書の中でもかなり重要なコンセプトのひとつです。

 

■フランチャイズに学ぶ事業のパッケージ化という考え方

「事業のパッケージ化」をひとことで言えば、収益を生み出す事業を定型化して、パッケージにしてしまおう、ということだ。

”事業のパッケージ化”という言葉は、原文では、「Turn-Key Operation(ターンキー・オペレーション)」です。

これを”事業のパッケージ化”、というわかりやすくインパクトのある言葉に訳したことが本書が支持されている理由のひとつかも知れません。

(前回もお伝えしましたが「はじめの一歩・・」は、私たちがガーバー氏と会うはるか前に出版されているので、本書の翻訳や出版には私たちは一切関与していません)

ターンキー・オペレーションの「ターンキー」とは、直訳すれば「カギを回す」という意味で、一般的には”買ったらすぐに使える商品やサービス”のことを指しています。

たとえば、家具を買った場合、既に組み立ててあって、自宅に届いた瞬間から使えるのであれば、それはターンキー型の商品と言えます。

逆にIKEAなどで買うと、自分で組み立てをしないといけないので、ターンキーとは言えません(その分安いのですが)。

つまり、ターンキー・オペレーションとは、、、

お店のカギと運営マニュアルを誰かに渡せば、相手はすぐにビジネスをスタートできる、というようなことを意味しています。

マクドナルドは、実際にそのような仕組みをフランチャイズに提供した、ということになります。

 

 

事業を立ち上げる人の多くは、事業の成功は取り扱う商品の良し悪しにかかっていると考えがちだ。(中略)たしかに、このような考えが正しい時代もあった。しかし、時代は変わり、今やブランドが氾濫する時代となった。ブランドが確固たる地位を築いて維持することは、とても難しくなっている。(中略)レイクロックは、「何を売るか」ではなく、「どのように売るか」に注目した。つまり、売るための仕組みにこそ価値があると考えたのである。

当たり前ですが、これは商品の品質が低くてもOK、といっているわけではありません。

顧客の問題を解決するだけの品質があるのは当然としたうえでの話です。

「何を売るか」ではなく、「どのように売るか」が重要である、という話は、実は松下幸之助氏も著書の中で同じようなことを書いています。

松下幸之助氏は、商品自体は容易に真似される時代が来ていることを知っており、売る仕組みを作ることに力を入れていました。

だから、ナショナルショップ(系列販売店)を全国にネットワーク化したのです。

マクドナルドのフランチャイズも系列販売店も要するに、”どのように売るか”を考え抜いて仕組み化した結果と言えます。

 

 

努力の甲斐あって、彼(レイクロック)は個人の能力に頼らなくても、収益を生み出すような店をつくりあげた。言い換えれば、他の人に任せても店が上手く機能するということである。

レイクロックは「消費者にハンバーガー」を売っていたのではなく、「ビジネスを立ち上げたい人にマクドナルドというビジネス」を売っていました。

レイクロックは、ビジネスを立ち上げたい人が求めているもの、つまり顧客のニーズを明確に理解していました。

ビジネスを立ち上げたい人が求めているのは、「自立性」と「安全性」です。

通常、この二つが同時に手に入ることはありません。

「自立性」を手に入れたければ、独立する必要があります。

しかし、独立してしまえば、普通は収入は不安定になり、「安全性」が手に入らなくなります。

一方で、勤め人であれば「安全性」は手に入るかも知れませんが、「自立性」が手に入らなくなります。

レイクロックは、誰が運営しても同じように収益をあげられる仕組みを作ったことで、「自立性」と「安全性」の両方を提供することに成功したのです。

 

 

きみ(サラ)は最高においしいパイをつくろうと頑張ったし、レイクロックは最高に収益の上がる仕組みを作ろうとした。(中略)でもその違いが原因で、世界的なチェーンとこのお店との差が出来てしまったんだよ。

この文章はまさに職人型のビジネスと起業家型のビジネスの差を表現しています。

繰り返しますが、これは商品は妥協しても良い、ということではありません。

マクドナルドはたしかにいまの健康が重視される時代においては、最高のハンバーガーを提供しているとは言えないかも知れません。

しかし、レイクロックが最初にマクドナルドのビジネスを発見した時には、他のハンバーガー屋に負けない商品を提供していたに違いありません。

実際、多くの人は少なくとも子供の頃、マクドナルドのハンバーガーやポテトにハマっていたことでしょう

仕組み化とは、

最高の価値を、可能な限り多くの人に提供し続けるにはどうすれば良いか?

という質問の答えを探し続ける仕事です。

レイクロックの場合には、それがフランチャイズという仕組みでした。

あなたのビジネスの場合には、それがどんな仕組みになるかをぜひ考えてみてください。

 

 

本日はここまでとなります。

次回は、「事業の試作モデル」と「自分がいなくてもうまくいく仕組み」に入っていきますので楽しみにしていてください。

清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。