仕組み化のバイブル「はじめの一歩を踏み出そう」を読み解く その6「事業の試作モデル」


これまでのメルマガから引き続いて、 仕組み化のバイブル「はじめの一歩を踏み出そう(http://amzn.to/1b3OHPG)」を読み解いていきます。

バックナンバーはメールの後半に掲載していますので、見逃した方、最近ご登録いただいた方はそちらからご覧ください。

本日は、「事業の試作モデルをつくる」と「自分がいなくてもうまくいく仕組み」に入っていきます。

 

8.「事業」の試作モデルをつくる

フランチャイズビジネスがこれほどまでに成功を収めた秘訣は、商品を販売する前に試作モデルを作るように、事業にも試作モデルを作るという考え方を取り入れたからである。

ここまでの内容をお読みいただいた方であれば、この試作モデルという考え方はすんなり受け入れられると思います

おそらく、あなたがいま取り組んでいる仕事(仕組み化)も、この試作モデル作りかと思います。

これから成長を遂げていくために、まずは小さな範囲で、

”顧客に価値を提供しながら利益を上げる仕組み”

そして、

”自分が関わらなくてもうまく行く仕組み”

を作るのが試作モデルと言えます。

 

たとえフランチャイズの形をとっていなくても、あなたの周りで成功している会社は、独自に完成度の高い運営システムを持っているはずである。

この事業の試作モデルという考え方は、飲食店、サロン、宿泊施設など店舗系のビジネスをされている方にはわかりやすい話だと思います。

最初の第一店舗目がまさに、試作モデルになります。

一方、店舗以外のビジネスの場合には、自社の試作モデルとは何か?というのがわかりにくいかも知れません。

何を自社の試作モデルとするか?は結構重要になってきます。

たとえば、我々のように講座を行っている場合には、

講座を企画し、集客し、開催する

という一連の流れが試作モデルといえるでしょう。

その流れが上手くいくようになれば、まずは第一の試作モデルが出来たといえます。

また、さらにそこから進化して、講座をフロントエンドとバックエンドに分け、

フロントエンド講座を企画し、集客し、開催、

さらに、

バックエンド講座を企画し、集客し、開催する

という流れが出来ると、一段上のレベルの試作モデルが出来ます。

こうなると複数のテーマで講座を横展開し、利益の上がる講座ビジネスが出来ます。

これはあくまで考え方の一例ですが、自社の試作モデルは何か?という問いは結構重要ですので、一度考えてみることをお勧めいたします。

 

9.自分がいなくてもうまくいく仕組み

この章の原題は、「Working On It, Not In It(会社の中で働くのではなく、外から働きかける)」です。

目の前の職人仕事に没頭するのではなく、起業家としての視点で、ビジネス全体を設計しましょう、というような意味です。

これが「自分がいなくてもうまくいく仕組み」と訳されているところが、本書が日本で多くの経営者にヒットした理由であると同時に、読まれた方の多くが(ガーバーの本来の意図と異なり)、テクニカルな方法論だけに目が行ってしまった理由でもあると思われます。

ちなみにWorking On It, Not In It.という言葉は、本書で紹介されて以来、海外では様々なコンサルタントや経営者が引用する有名な言葉になっています。

この章についてはガーバー本人が動画で読み上げているものが公開されてますので、全内容を確認したい場合には、下記からご覧ください。
https://youtu.be/qfXpbTYUSiE

 

 

事業とは、それ自身が目的とルールをもっている独立した生き物のようなものであって、決してあなたの一部ではない。

この章では、「事業そのものが商品」というコンセプトが何度も出てきます。

そして「事業と自分を切り離して考える」ということも繰り返し出てきます。

しかし、これは、自分のやりたいことは置いておいて、とにかく利益の出る事業を作れば良い、というわけではありません。

「事業と自分を切り離して考える」のですが、一方で、「優れた会社では創業者自身の人生が事業に反映されている」というのがガーバーの発見したことです。

特に最近は、創業者の価値観を反映させたブランドやリーダーシップスタイルを創ることの重要性が増してきています。

考え方としては、事業を自分の子供だと思ってもらうとわかりやすいと思います。

自分の子供は、人格的にも物理的にも自分とは別物です。しかし、子供には自分のDNAが反映されています。

つまり、切り離されていながらも、関連性があります。

事業を自分の子供だと考えれば、起業家であるあなたの仕事は、子供(事業)が自立して生きていけるように育てることと言えるでしょう。

 

平凡な人が非凡な結果を出すためには、本当に必要な能力と、実際の従業員の能力との間のギャップを埋めなければならない。その役割を果たすのがシステムなのである。

ここでいうシステムは仕組みとほぼ同じような意味と理解していいと思います。

ガーバーが良く言うのが、仕組みやマニュアルは、社員を縛るものではなく、彼らの能力を解放させてあげるものであるということです。

仕組みがあることで、社員の方々がこれまでやったことのない仕事が出来るようになります。

また、建築家のバックミンスター・フラー氏は、次のような言葉を残しています。

”人に新しい考え方を教えようと思ったら、彼らにそれを教えるようなことはしてはならない。道具を与え、それを使わせることで新しい考え方が身に付くのである。 ”

ここで出てくる「道具」というのが仕組みやマニュアルであると考えていだければと思います。

社員の意識を変えるために、社長があれこれと叫ぶよりも、成果の出る仕組みを作ってあげたほうが得策であるということです

 

では本日は以上となります。

次回は、「事業発展プログラムとは何か?」に進んでいきます。

 

バックナンバーはこちらからご覧ください。

その1「まえがき」と「はじめに」
http://blog.entre-s.com/821

その2「起業家の神話」と「3つの人格」
http://blog.entre-s.com/824

その3「幼年期」と「青年期」
http://blog.entre-s.com/829

その4「成熟期」
http://blog.entre-s.com/834

その5「事業のパッケージ化」
http://blog.entre-s.com/839

清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。