仕組み化のバイブル「はじめの一歩を踏み出そう」を読み解く その8「事業の究極の目標」


これまでのメルマガから引き続いて、 仕組み化のバイブル「はじめの一歩を踏み出そう(http://amzn.to/1b3OHPG)」を読み解いていきます。

バックナンバーはメールの後半に掲載していますので、見逃した方、最近ご登録いただいた方はそちらからご覧ください。

本日は、「ステップ1.事業の究極の目標 – あなたが望む人生の目標とは?」に入っていきます。

(11章の事業発展プログラムの7つのステップは、目次的存在で短いので割愛します)

 

私は事業が人生のすべてだとは思っていないが、人生の中でかなり重要な役割を担っていると考えている。だからこそ、事業の目標を考えるうえで、「あなた」にとっての人生の目標を無視することはできないのである。

本書の中でも紹介されている通り、ビジネスとは、ビジネスオーナーも含め、それに関わる人たちの人生を豊かにするための乗り物です。

その認識があれば、事業の前にビジネスオーナーの人生に焦点を当てるということは腑に落ちやすいと思います。

特に今の時代では、経営者の情熱や人生の目的、価値観を発見し、それらが反映されたビジネスを作ることがとても大切になっているといえます。

経営者の人生が反映された事業は、顧客から見ても、社員から見ても求心力を発揮します。

それはカリスマ的な経営者が求心力を発揮するのとは違います。

カリスマ性は属人的なので複製ができませんし、組織が大きくなるほど全員には伝わりにくくなります。

そこで事業のあらゆる側面で、経営者の情熱や人生の目的、価値観を反映させた「仕組み」を作ることが大切になってきます。

仕組みやマニュアルはあくまで「器」ですが、それに経営者の情熱や人生の目的、価値観が反映されることで、「器」に人間的な魂が入ります。

 

昔、人生を無為に過ごす若者がいた。彼の人生に目標などなかった。・・・

この章では、ここからマイケルE.ガーバーがいまのビジネスを始めるに至ったストーリーが語られています。

本書の原本は30年くらい前に出版されたものですが、ガーバーは今でも講演するときに同じストーリーを語っています。

それだけストーリーを伝えることが経営者にとって重要だということを示唆しています。

ビジネスや宗教も含め、あらゆる偉大な組織がストーリーから始まっているのは偶然ではありません。先ほど言った経営者(創設者)の情熱、人生の目的、価値観を伝えるためにはストーリーを使うのが最も効果的なのです

ガーバーは、自分の創業ストーリーを伝えることで、

・会社にはシステム(仕組み)が必要なこと、
・どんな業種であっても経営者の悩みは一緒であること、
・若くなくても起業して成功できること(ガーバーは42歳で起業)、
・誰にでも起業家精神が備わっていること(ガーバーは百科事典の普通のセールスマンだった)、

など、たくさんの示唆を同時に伝えています。

そして、彼の作った経営者向けプログラムには、これらの示唆が反映されています。

このように、自分のストーリーというのは、会社のDNAを作るうえでとても大切な役割を果たしますし、それを作る過程で、この章にあるような「人生の目標」を発見することもできます。

ちなみにストーリーを作る方法としては、以下に示すヒーローズ・ジャーニーという流れが一般的です。これは映画「スターウォーズ」のシナリオ作りに使われたことで有名になった手法です。

ぜひご参考にされて、自社のストーリー作りをしてみてください。

 

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ヒーローズ・ジャーニーのフォーマット:

1. 日常の世界
主人公が日常の世界に登場する場面の描写。主人公の人生に何かが欠けているが、その欠けているものが何なのか、気が付くことができない。創業ストーリーでは多くの場合、このシーンで、あなたがビジネスを始める前の話を描写する。

2. 天命
主人公を旅へと駆り立てる何かに出会う。予期せぬ何かとの出会いが、旅へと導いていく。

3. 賭け/決断
天命によって旅に導かれるが、主人公は、果たしてその道に進むべきなのかどうかを葛藤する。自分は日常の世界に留まるべきなのか、それとも新しい世界へと足を踏み入れるべきなのか。

4. 探索
「新しい世界」に足を踏み入れ、主人公が新しいことを体験し始める。

5. 困難
冒険の中で、困難に突き当たる。新しいビジネスを始めたものの、徐々に停滞、上手くいかずに行き詰る。ライバルや敵との対立によって、主人公が叩きのめられそうになることで、ストーリーに引き込む力が生まれる。

6. 変革
主人公が困難に遭遇し、それを乗り越える過程で、英雄として成長していく。読み手は、その姿を自分と重ね合わせることによって、感動したり、勇気をもらったりする。

7. ひらめき
日常の世界で常識として考え、行動してきたことが、新しい世界、新しい世界では、通用しないことに気が付き、ひらめきの瞬間がやってくる。いままで自分が経験してきたことが全て統合され、ひとつの結論に至る。創業ストーリーでは、多くの場合、現在行っていることのきっかけとなるひらめきを指す。

8. 挑戦
これまでのシーンを統合させ、より大きなものに挑戦していくことを描写。挑戦がまだ道半ばでも良い。

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次回は「ステップ2.戦略的目標」に進みます。

こちらも楽しみにしていてください。

清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。