仕組み化のバイブル「はじめの一歩を踏み出そう」を読み解く その9「戦略的目標」


これまでのメルマガから引き続いて、 仕組み化のバイブル「はじめの一歩を踏み出そう(http://amzn.to/1b3OHPG)」を読み解いていきます。

今回は、

13 ステップ2「戦略的目標」

です。

戦略的目標とは、その名の通り、会社が目指す姿、目標のことです。

いま、私たちはそれをビジョンという言葉で表現しています。

本書の原書には、各章毎に引用文が紹介されています。

この章の引用文は、次の通りです。

「あなた方の矢が届かないのは」と、師は注意された。「精神的に十分に遠くへ届いていないからです」
– 「弓と禅」 オイゲン・ヘリゲル著

「弓と禅」 は、ドイツ人哲学者ヘリゲル氏が、日本滞在時に弓道の達人、阿波研造氏に弟子入りした時の話を描いた書籍です。

”心を無にして弓を射る”ことの意味を考え続けたヘリゲル氏のストーリーによって、武道と禅の真髄を解き明かした本として知られています。

先の引用は、その中の一文です。

その一文の次には、下記のような文が続きます。

”あなた方は、的が無限に遠くにあるように振舞わなくてはなりません。”

これが会社の経営にも通じるものとしてガーバーは書籍の中に引用したのです。

すべての仕組み化は、この章で紹介されている戦略的目標、ビジョン達成のために行われます。

つまり、戦略的目標を定めることこそが仕組み化の第一歩なのです。

私は起業することの最終的な目的は「会社を売却する」ことだと考えている。会社を立ち上げ、成功させ、売却することで十分な報酬を得るのである。

いままでの日本においては、自分が創業した会社を売却することは一般的とは言えませんでした。

しかし、いまでは状況が異なります。多くの会社が経営者の高齢化を迎え、後継者不足に悩まされているのは、端的にいえば、創業者が会社を売れるように作ってこなかったことが要因です。

実質的に会社を売却する、または株式公開して一般の投資家に会社を売る、いずれにしても、創業した会社を最終的にどうしていくのか?を決めなくていけません。

それが戦略的目標を決めるということになります。

取り組む価値があるかどうかを見極めるためにも、次の質問に答えてみてほしい。「あなたが考えている事業は、多くの消費者が感じている不満を解決するものだろうか?」

いまの事業で対象としている顧客がそれほど多くなければ、大きな戦略的目標は達成することができません。

ガーバーは、「大半の成功しているビジネスは、ごく普通のビジネスである」といっています。

普通のビジネスとは流行が廃れない商品やサービス、いわゆるコモディティ商品を売っているビジネスを指しています。食べ物、健康、衣類、コミュニケーション、交通などです。

これまでになかったような商品やサービスは、ニーズがあるかどうかわからず、将来的にどれくらいの市場規模になるかもわかりません。

それよりも、もともと顧客となる人たちが存在しており、ニーズも明確な普通のビジネスを選んだほうが良いというわけです

成功するためには、普通のビジネスを、他とは異なるやり方でやることである、とガーバーは言っています。

本章では、主人公のサラが7年後のお店「オールアバウト・パイ」の将来図を語っています。

このように、将来のある時点での明確な自社の姿こそが戦略的目標です。

ぜひサラを習って、自社の戦略的目標を立ててみてください。

次回は「13 組織戦略」に進みますので楽しみにしていてください。

清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。