仕組み化のバイブル「はじめの一歩を踏み出そう」を読み解く その12「人材戦略」


これまでのメルマガから引き続いて、 仕組み化のバイブル「はじめの一歩を踏み出そう(http://amzn.to/1b3OHPG)」を読み解いていきます。

今回は、

15. 人材戦略

です。

ガーバーが感銘を受けたホテル、ホテルベネチアのマネージャーとの会話を通じて、人材戦略を紹介しています。

 

従業員を思い通りに働かせるなんてできっこないよ。まずは働くほうが自分のためになるんだと思える仕組みをつくることだね。成果を上げることにやりがいを感じるような仕組みをね。

動機付け、モチベーションアップの社員研修は昔からたくさんありますが、ガーバーは、

社員に成果を上げさせるために、彼らのモチベーションを上げるなどできない、

と断言しています。

逆に、

社員に成果を上げさせることでモチベーションが上がる

といっています。

これはご自身の経験を振り返ってみても納得できることかと思います。

何かを習うとき、ひとつずつ課題をクリアしたり、できることが増えていくことに楽しみを感じ、さらに上達しようと思うものです。

これは人間が本能的に”成長”を求めているためです。

したがって、本章の人材戦略とは、まさに社員に意義のある成果を上げてもらうにはどうすればよいか?を提示したものです。

社員に成果を上げてもらうためには、これまで本書に出てきた、何が成果なのかを理解してもらうことや仕組みづくりが必要になります。

 

ホテルという事業を通して、自分の信念や価値観を実現しているように思えたのです。(ホテルベネチアのマネージャーのセリフ)

本書では、事業とは人生を豊かにするための乗り物である、という言葉が紹介されていますが、ホテルベネチアのオーナーは、まさに事業で自分の人生を表現しているといえます。

事業において自分の信念や価値観を表現できればできるほど、顧客と社員を惹きつけることができます。

カリスマ的な政治家や社会活動家には人が集まります。それは彼らがダイレクトに自分の信念や価値観を民衆に伝えているからです。

彼らは、”誰もが心の中で思っていたが言葉に出来なかったこと”を明文化してわかりやすく表現し、伝えています。

だから、民衆は、”自分も前からそう思っていた。この人は話のわかる人だ。”と感じ、同じ方向に向かおうとするのです。

会社のリーダーもそれと同じです。

ビジョンや価値観を明文化する必要があるのはそのためでもあります。

 

オーナーは事業とは自分を鍛錬する道場のようなものだと考えています。道場での戦いは、敵との戦いではなく、自分自身との内面的な戦いなのです。(ホテルベネチアのマネージャーのセリフ)

この話は当然ながら、日本人になじみ深い武道から来ています。

私も昔はいわゆる自己啓発に、はまった時期があります。本や教材はもちろん、海外のセミナーまで足を運んでいました。

しかし、ガーバーに会ってからは、そういったセミナーに参加するのは控えめにしています。

なぜならば、最高の自己啓発とは事業に真剣に取り組むことである、とガーバーから教わったからです。

ガーバーは次のように言っています。

”オーナーがビジネスに対する視点を変えない限り、ビジネスは決して改善しない。これが33年間してきたことの中で、鍵となる点である。変革する必要があるのは、オーナーなのだ。だから私たちのマイケル・トーマス・ビジネス・デベロップメント・プログラム(ガーバーの創業当初のコンサルティングサービスの名称)は、ビジネスに関するものである一方、本当はいままで作られた中で、最も包括的な自己開発のプログラムになっている”

ビジョンや価値観を発見し、日々の仕事の中で自分がリーダーシップの機能を果たすことで自分との内面的な戦いがあり、はじめて人間として成長することができます。

それは自己啓発セミナーに参加して体験できるものではありません。

 

事業とはゲームのようなものである。

本章で重要なメッセージのひとつがこれです。

ゲームには目標があり、ルールがあり、やり続けることでプレイヤーの成長があります。

事業も同じように、目標を作り、ルールを作り、社員が成長できる環境を作る必要があるということです。そのゲームは、各会社ごとに異なります。

また、ガーバーは、採用について次のように言っています。

”採用するポジションによって、候補者に求める能力は異なるが、唯一、採用する全ての人に求めるべきなのは、「初心者の心」である。

彼らがどんな学歴だろうと、どんな経歴、トレーニングを受けていようと、あなたの会社の“ゲーム”の中では、「初心者」になってもらうべきである。”

ここにあるように、新しく入ってきた社員には、そのゲームに慣れ親しんでもらうことです。彼らがこれまでに慣れ親しんだゲームではなく、あなたの会社のゲームに慣れてもらう必要があります。

新入社員がベテランの場合、”前の会社ではこうだった”、”私のやり方とは違う”と言って、あなたの会社のゲームを変えようとする人がいますが、それを許してしまっては、また属人的な職人型ビジネスに戻ってしまいます。

 

今回は以上となります。次回は16.マーケティング戦略に進みますので楽しみにしていてください。

清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。