仕組み化のバイブル「はじめの一歩を踏み出そう」を読み解く その14「システム戦略」


これまでのメルマガから引き続いて、 仕組み化のバイブル「はじめの一歩を踏み出そう(http://amzn.to/1b3OHPG)」を読み解いていきます。

今回は、いよいよ最後のシステム戦略です。

 

システムとは、相互に作用するモノ、行動、アイデア、情報の集合体である。そして、相互作用を繰り返す中で、他のシステムへの働き掛けも行う。

「仕組み」を英訳すると「メカニズム」という言葉が当てはまるので

システム=仕組み

というわけではありません。

ただ、ややこしいので、システムと仕組みという2つの言葉をほぼ同義としてご紹介しています。

会社におけるシステムとは何か?を理解する際には、私たちの身体を思い浮かべてもらうとわかりやすいです。

私たちの身体は様々な臓器や血液、骨、筋肉が組み合わさったシステムです。

そして、臓器や血液、骨、筋肉がそれぞれ相互作用しています。

どこか一つのパーツに不調が出ると、周りのパーツにも影響が及び、体調が悪くなります。

会社もそれと同じで、どこか一か所のシステムに不調が出ると、他のシステムにも不調が及びます。

たとえば、経理のシステムに不調が出て、仕入れ先への支払いが遅れると、在庫のシステムにも影響したり、引いてはセールスのシステムにも影響が出ます。

会社をシステム化していく際に難しいのが、本当はどこに原因があるのか?を探ることです。

私たちも体調が悪くなると、体調が悪いのは自分で認識できますが、どこに原因があるのかを自分で発見することは難しいものです。

システムは相互作用しあっているので、こちらを立てればあちらが立たず、というように、堂々巡りが起きがちなのです。

実際には最も今の状況にインパクトがあるシステムを探し出し、そこから手を付けていくことになります。

 

従業員を本来の仕事に集中させることがシステムの目的なのである。

システムがあることで、仕事のやり方を悩むことが少なくなります。

ですから端的にいえば生産性が上がります。

この作業をどうやってやろうか?と考える必要がないのです。

そのため、より高度な”考える仕事”に時間を使えるようになります。

これまでに何度かご紹介していますが、システムとは、社員の考えや行動を縛るものではなく、逆に彼らの可能性を最大限に発揮させるものなのです。

 

企業には、ハードシステム、ソフトシステム、情報システムの三種類がある。

本書では、ハードシステムの例としてホワイトボード、ソフトシステムの例として販売システム、情報システムの例として、販売の数値化が登場します。

これら3つの区分けはそれほど気に掛ける必要はありませんが、とにかく、

あなたの会社にはすでに様々なシステムがあり、それが上手く機能しているのか、または機能していないのか、どちらかです。
そして、うまく機能していないシステムを人のせいにせず、いかにシステム的な視点で改善していくか?がとても大事です。

 

さて、以上、「はじめの一歩を踏み出そう」を解説してきました。

ご参考になりましたでしょうか。

この本は、原書(EMyth Revisited)が出版されたのは1995年、さらにその前身となる本(EMyth)は1985年の出版です。

つまり、核となるアイデアが紹介されてから既に30年以上経っています。

にもかかわらずいまだに様々なメディアで取り上げられているのは、やはりスモールビジネス経営の原理原則が書かれているからだと思います。

私が個人的にこの本が好きな理由は、

本書がガーバーの個人的な体験談でもなく、コンサルタントや学者が書いたものでもない、ということです。

大半のビジネス書(経営書)は、個人的な体験談か、学術的な理論が書かれているものに大別されます。

個人的な体験談というのは、成功した経営者やコンサルタントが書いた本であり、確かにインスピレーションを受けたり役に立つ点はあるものの、体系的とは言い難く自社の状況に照らし合わせて考えることが難しいものです。

学術的な理論が書かれている本は、その大半が大企業のマネジメント向きなので、スモールビジネス経営にはあまり当てはまりません。

ガーバーはコンサルタントと呼ばれることもありますが、実際には起業家です。

コンサルティング会社を起業した起業家です。

ですから「はじめの一歩を踏み出そう」は、体系的に書かれていながらも、経営者が抱える悩みに即した内容になっています。

既に一回お読みいただいた方も、ぜひこれをきっかけに再読していただければと思います。

清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。