「起業家精神に火をつけろ!」を読み解く その8. ロッサーリーブスの教え


今日は、

「ルール2. マーケティングを学ぶ」

です。

一般には、

マーケティング=集客=FBやSEO、チラシ、広告、キャッチコピーなど

と思われがちです。

しかし、この章を読んでいただければ、ガーバーの言うマーケティングとは、はるかに大きな概念であることがわかると思います。

 

(引用)僕たちが本当の起業家になるために学ぶ7つのルールは、ひとつずつ順番に積み上げていくブロックのようなものではなく、パズルのピースのようなものなんだ。どのピースが欠けていても、ワールドクラスの企業を作るというパズルは完成しない。

⇒本書で紹介されている7つのルール(今後紹介していきます)は、もともとは、「セブン・センター・オブ・マネジメント・アテンション」と呼ばれていたものです。日本語にすれば「経営陣が気に掛けるべき7つの分野」といえるかも知れません。

私たちは今ではこれを、「7つの経営力学」と呼んでいます。この引用文にもあるとおり、これらのリーダーシップやマーケティング、財務などの7つの分野は、それぞれが相互依存関係にあり、まさに力学と言えるものです。

私たちのコーチングの現場では、最初は「リーダーシップ」からスタートしますが、そのほかの分野に進んだ後、もう一度、リーダーシップの内容に戻ってくる、ということが結構あります。

「これを考えるにはビジョンに立ち戻る必要があるよね」

「戦略的指標はこっちのほうが良かったんじゃなかったかな」

(※ビジョン、戦略的指標ともにリーダーシップ分野のカリキュラムの一つ)

というように、仕組み化を進めていけばいくほど、会社のすべてのパーツが密接につながっていることがわかってきます。

だからマーケティングはこっち、経営理念はこっち、ブランドはこっち、というようにあちらこちらからノウハウを持ってきたとしても、一貫性が取れません。

会社全体の仕組みを貫く軸を持っている会社こそが、一貫性のある会社とみなされ、強いブランドを築くことが出来ます。

この章に例として出てくるスターバックスやフェデックスはそのような会社と言えます。

 

(引用)次のレッスンでは、会社にとっての専売特許とは何なのかを考えてほしい。

⇒「専売特許」は、いわゆるUSP(ユニーク・セリング・プロポジション)のことです。

USPとは、広告のプロ、ロッサーリーブスが世の中に広めた概念で、いまではマーケティングを語るには欠かせない言葉にもなっています。

専売特許と訳されているとおり、まるで特許のごとく、

”自社だけがその市場に提供できる売り”

という意味です。

USPがある会社は市場でとびぬけた存在になることが出来ます。

他の会社が提供できないものを売っているので、顧客は自社に来るしか選択肢がありません。

しかし、本書にも書かれていますが、本当の意味でUSPを持っている会社は極端に少ないのが現実です。

USPとは、つまりは顧客との約束です。

”これが出来るのはうちだけですよ”と顧客に約束をして、お客様にお金を払っていただくわけです。

だからUSPを創るには、単にキャッチコピーを考えればいいわけではありません。

USPを考える時点で、本当にその約束が守れるのか?と考える必要があります。

約束を守るためには、自社内部の仕組みが必要なのです。

実際にはその内部の仕組みこそが、自社の独占的な資産と言えます。

USPを持っている会社が少ない、というのは、その内部の仕組みを創るのが難しいから、という理由があります。

とはいえ、USPは勝手に出来上がるものではなく、意図しなければ生まれることもありません。

本書にあるように、周りにある会社を見回してみて、専売特許を持っている会社とはどんな会社かを探してみてください。

次回は「ルール3.財務を学ぶ」に進んでいきます。

こちらも楽しみにしていてください。

清水直樹

清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、携帯電話普及の波に乗る形で、モバイルコマース事業の創業メンバーとして参加。上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。