京セラフィロソフィの「仕事を好きになる」という項目を読み進めた。稲盛和夫氏は、仕事を好きになればどんな努力も苦にならず、清々しい仕事ができると説く。そのための具体的なプロセスとして示されていたのは、「まず仕事に打ち込むこと」であった。打ち込むことで成果が出て、その結果として仕事が好きになる。稲盛氏自身、倒産寸前の会社でセラミックの研究に没頭し、成果を出したことで道が拓けたという。感情が先にあるのではなく、行動と結果が感情を動かすという因果関係が明確に示されている。
中毒性の正体と「楽しむ」ことの境地
自分自身を振り返ると、「仕事が好きかどうか」を自問する余裕すらなく走り続けてきた。しかし、一日中働いても苦にならない現状を考えれば、私は仕事を「好き」なのだろう。なぜ苦にならないのか。それは、自分が行った施策に対して売上という形ですぐにフィードバックが返ってくる「中毒性」にあると気づいた。10年以上続けているメルマガがその最たる例だ。
論語に「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」という一節がある。私は今、価値観の合う仲間に囲まれ、得意な領域に集中できている。これは「好む」を超えて「楽しむ」の領域に足を踏み入れているのではないか。自分が感じているこの「中毒的な楽しさ」こそが、継続の原動力となっている。
成果の遅延は「好き」になる機会を奪う
翻って、自社のコーチやクライアントはどうだろうか。彼らにも仕事を、そして「仕組み化」を好きになってほしいと願っているが、今の仕組み経営の導入プロセスは、内面の深掘りという重厚なステップから始まる。これでは、手応え(成果)を感じるまでに時間がかかりすぎてしまう。
私が仕事を楽しめているのは、フィードバックが早いからだ。ならば、クライアントが「仕組み化」を好きになるためには、早い段階で小さな成功報酬、すなわち「即時の成果」を提供する必要がある。成果という報酬がないままに「好きになれ」というのは、生存本能に反する無理難題なのかもしれない。
即時フィードバックを生む「仕掛け」の実装
明日からは、カリキュラムの構成を再考する。経営者の内面探求と並行して、整理整頓や時間管理など、着手した瞬間に変化を実感できる「即効薬」を導入する。
クライアントが「仕組み化って面白い」「変わるのが楽しい」と感じる中毒性を設計すること。それが結果として、彼ら自身の仕事を好きにさせる最短ルートになる。まずは、直近のコンサルティング内容において、明日からでも効果が出る具体的アクションを一つ、必ず提示することを自分に課す。
