今日、京セラフィロソフィの「自らの道は自ら切り拓く」という項目を読み進めた。そこで説かれていたのは、組織のリーダーや経営幹部がいかにあるべきかという、強い自立心の必要性であった。稲盛和夫氏は、創業者はもともと独立自尊の精神を持っているが、後継者や各部門の責任者には意識的にその魂を植え付けなければならないと説いている。そして、その精神を具体的に組織へ浸透させるための仕組みこそが「アメーバ経営」であるという事実に改めて触れた。
「持っている者」の傲慢と、新たな使命への気づき
私自身、創業者として「独立自尊」の精神は備わっているという自負があった。そのため、この項目をどこか他人事のように、あるいは「自分はできている」という確認作業として読み流そうとしていた自分に気づく。しかし、それは大きな認識の甘さであった。
今の私が果たすべき役割は、自分自身が自立していることの証明ではない。かつて稲盛氏がアメーバ経営という小集団組織によってリーダーを育てたように、私はその現代版、いわば「アメーバ経営の民主化」を成し遂げなければならない。現在の日本社会において、大企業から中小企業まで共通して蔓延しているエンゲージメントの低下。それは、働く人々が「自分の人生を自分で切り拓いている」という感覚を失っているからに他ならない。私の作るべきアプリは、単なる業務管理ツールではなく、一人ひとりが自立した主役になれる「舞台」なのだと痛感した。
仕事を「夢中になれるゲーム」へと再定義する
今回の内省を経て、私が取り組むべきプロジェクトをひとつの法則として言語化する。それは「内発的動機のデジタル変換」*ある。
日本人は本来、仕事に対して真面目であり、精進を尊ぶ性質を持っている。その美徳が、現代の硬直化した組織の中で埋没してしまっている。アメーバ経営のような哲学を、より大衆的で、汎用性が高く、誰もが扱えるアプリへと昇華させる。それは、仕事を「苦役」から「攻略すべきゲーム」へと変える試みだ。仕事の結果がダイレクトにフィードバックされ、自分の判断が組織に貢献する手応えを感じられる仕組み。それこそが、現代における「独立自尊の精神」を呼び覚ます鍵となる。
日本人の真面目さを呼び覚ます「器」を創る
明日から、開発中の小集団活動アプリの設計思想をさらに深める。単に「小集団活動ができる」という機能面での満足で終わらせてはならない。ユーザーがアプリを開くたびに、自分の意志で道を切り拓いている実感が持てるか。仕事が「自分事」として熱を帯びる仕組みになっているか。
私は、創業者の精神を独占するのではなく、それをシステムによって「開放」することにコミットする。日本人が再び仕事に夢中になり、誇りを取り戻すための「デジタルな器」を完成させる。それが、今の私が自らの道を切り拓くということの真意である。
