今日、改めて『京セラフィロソフィ』の「夢を描く」の項目を読み進めた。
稲盛和夫さんは、京セラ創業時という何者でもなかった時代から、「西の京で一番、京都で一番、日本一、そして世界一」という壮大な夢を描き続けていたという。
世間一般では、稲盛さんは「中長期計画を立てず、今日一日を懸命に生きる」という地道な経営の体現者として語られることが多い。私自身も、その「一日一生」のような姿勢こそが真髄だと思い込んでいた節がある。しかし、事実は違った。足元の地道な一歩一歩を支えていたのは、一生をかけて追い続けるほどの、あまりにも高く、強烈な夢の存在だったのだ。
「地道な歩み」と「大きな夢」の真の相関
なぜ、地道に生きる一方で夢が必要なのか。その答えは、私自身が独立当初から座右の銘としてきた「夢は逃げない。逃げるのはいつも自分」という言葉に集約されている。
大きなビジョンを掲げずに目の前のことだけを見ていると、人は困難に直面した際、安易に「現実的な落とし所」を探してしまう。あるいは、日々の忙殺を理由に、本来進むべき道からフェードアウトしてしまう。夢という遠くの光があるからこそ、暗闇のような足元の作業に意味が宿り、自分自身が「逃げる」ことを踏みとどまらせてくれるのだ。
私は、日々のタスクをこなすことに意識が向きすぎて、その先にある「大きな山」を凝視することをどこか忘れていたのではないか。稲盛さんが言いたかったのは、「計画」に縛られるなということであって、「夢」を捨てることでは決してなかったはずだ。
経営者の「知識の欠如」という悲劇をゼロにする
私が一生をかけて成し遂げたい夢は、明確だ。「次世代の経営インフラを構築すること」である。
世の中には、素晴らしい志や技術を持ちながら、経営の知識やインフラが整っていないために、本来潰れるべきではない会社が倒産していく悲劇が溢れている。これは、社会にとって大きな損失であり、あってはならないことだ。
私が目指すのは、独立し、社長になった瞬間に「このサービスを使うのが当たり前」という状態、いわば経営のOSのようなインフラを作ることだ。知識がないせいで夢を諦める経営者を一人も出さない。そのための基盤を、私がこの手で創り上げる。
経営の「羅針盤」を社会に実装する
今の自分にとって、この夢はまだ遠い。しかし、稲盛さんが京都の片隅から「世界一」を夢見たように、私も今の規模からこの「経営インフラ」の構想を現実のものにしていかなければならない。
まずは、現在提供しているサービスを、単なるコーチングの枠組みを超えた「経営の標準パッケージ」へと昇華させるための設計図を引き直す。明日から出会うすべてのクライアントに対し、彼らの「知識の欠如」を補うだけでなく、彼ら自身が「逃げない夢」を描けるような支援を徹底しよう。
それが、次世代の経営インフラを作るという私の夢への、確実な一歩となる。
